※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。
アイム・ソー・エキサイテッド!
(原題:Los amantes pasajeros)
作品データ
2013年|スペイン|コメディ
監督:ペドロ・アルモドバル
出演:アントニオ・バンデラス、ペネロペ・クルス、ハビエル・カマラ、カルロス・アレセス ほか
トラブルだらけの飛行機で、みんなが本音を漏らし始める話
マドリード発の飛行機が思わぬ事態に巻き込まれて、乗客も乗務員も「もう取り繕ってる場合じゃない」となり、空の上で人生相談みたいな状態になっていく始まり。
非常事態なのに妙に明るい機内の
飛行機は技術的な問題を抱えたまま上空待機に入る。エコノミーの乗客は眠らされ、ビジネスクラスの少人数だけが状況を共有することに。客室乗務員たちは不安を和らげようとして、歌ったり踊ったり、やけにテンションの高い対応を始める。その間に、乗客それぞれの秘密や悩みがぽろぽろとこぼれ出していく。
明るさで全部を押し切ろうとする客室乗務員たち
3人の客室乗務員は、とにかく場の空気を盛り上げ続ける役回り。不安を直視するより、笑わせて忘れさせる方を選んでいる感じで、その必死さがだんだん可笑しくなってくる。
問題を抱えたまま乗り合わせた乗客たち
ビジネスクラスの乗客は、それぞれ仕事、恋愛、人生に行き詰まりを抱えている。飛行機という逃げ場のない空間で、普段なら言わないような本音を口にしてしまう。
コックピット側も実は余裕がない
機長と副操縦士も冷静を装っているけど、状況はかなり綱渡り。操縦席の中でも私的な感情や関係性がにじみ出て、完璧なプロ集団という感じではない。
空の上という閉じた舞台
物語のほとんどは機内で進む。外の景色は変わらないのに、人間関係と感情だけがどんどん動いていく。逃げられない状況が、告白大会みたいな空気を作り出す。
不安が高まるほどテンションも上がる展開
着陸できない時間が延びるほど、緊張感とバカ騒ぎが同時進行になる。深刻になりそうな瞬間も、誰かの一言や行動で一気にコメディ寄りに転ぶ。
どうにかなる方向に話が転がる終盤
最終的には、状況そのものは一応の落ち着きを見せる。人生の問題が全部解決するわけじゃないけど、「まあ生きてれば続きはあるよね」みたいな感覚に着地していく。
アルモドバル節全開のポイント
この映画のポイントは、非常事態をシリアスに扱わないところ。不安も秘密も、全部ひっくるめて笑いに変えてしまうテンポと色使いが前に出ている。
軽く騒いで、ふっと終わる一本
全体的に勢い重視で、深読みしなくても楽しめる構成。何か大事なことを言っているようで、言ってないような、その曖昧さごと楽しむ映画、そんな感じで終わる。

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