※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。
暴力脱獄
(Cool Hand Luke)
作品データ
1967年|アメリカ|ドラマ
監督:スチュアート・ローゼンバーグ
出演:ポール・ニューマン、ジョージ・ケネディ ほか
システムに馴染まない男が最後まで折れない話
些細な罪で刑務所に入れられたルークは、過酷な規律と理不尽な支配の中でも、どうしても「従う人」になれない。反抗を繰り返すうちに、囚人たちの象徴みたいな存在になり、刑務所側との消耗戦がどんどんエスカレートしていく。
登場人物
・ルーカス・ジャクソン
元軍人の囚人。理屈より感覚で動き、権力に頭を下げることができない。
・ドラグライン
刑務所の顔役。最初はルークを警戒するが、次第に影響を受けていく。
・刑務所所長
規律と体罰で囚人を押さえつける支配側の象徴。
・看守たち
命令と罰を淡々と実行するシステムの歯車。
軽犯罪から始まる理不尽な日常
酔ってパーキングメーターを壊しただけで、ルークはフロリダの刑務所に送られる。
そこでは過酷な労働と体罰が当たり前で、看守たちは規則を守らせること自体が目的になっている。ルークはその空気にどうしても馴染めず、最初から浮いた存在になる。
折れない態度が英雄を生む
ルークは反抗的だが、誰かを扇動するわけでもない。ただ、理不尽に屈しない。
その姿勢が、ドラグラインをはじめ囚人たちの心を掴み、いつの間にか「希望」みたいな役割を背負わされていく。刑務所にとっては、目障りで危険な存在になっていく。
懲罰と脱獄のいたちごっこ
母の死をきっかけに、ルークは懲罰房に閉じ込められるが、それでも折れない。
解放されるとすぐ脱獄を試み、捕まり、さらに厳しい扱いを受ける。それでも再び逃げる。反抗は次第に個人の問題を超え、刑務所全体との消耗戦になっていく。
神に問いかける夜
三度目の脱獄の途中、ルークは教会で神に語りかける。
ここで彼は勝利を求めているというより、「どうしてこう生きてしまうのか」を確かめているようにも見える。逃げること自体が目的なのか、それとも折れない姿勢そのものが答えなのかが、静かに突きつけられる。
この映画のポイント
・反抗が思想ではなく生き方として描かれている
・刑務所というシステムそのものが敵
・囚人同士の関係性の変化がドラマを作る
・派手さよりも、じわじわ追い詰める展開
たぶんこんな映画
暴力的というより、ひたすら息苦しい。
勝ったとか負けたとかより、「それでもこう生きるしかない人」を最後まで見せ切る。
観終わると、ルークが正しかったのか間違っていたのか、簡単には決められない余韻が残る一本。

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