※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。
チャールズ・スワン三世の頭ン中
(A Glimpse Inside the Mind of Charles Swan III)
作品データ
2012年|アメリカ|コメディ
監督:ロマン・コッポラ
出演:チャーリー・シーン、ジェイソン・シュワルツマン、ビル・マーレイ、パトリシア・アークエット ほか
失恋したお騒がせ男の妄想が止まらなくなる話
1970年代カリフォルニア。成功も女も手に入れてきたグラフィックデザイナーのチャールズ・スワン三世が、恋人に振られたことをきっかけに一気に崩れ、現実と妄想をごちゃ混ぜにしながら自分の人生を立て直そうとする。起きている出来事より、頭の中で起きていることの方が派手になっていくタイプのコメディ。
登場人物
・チャールズ・スワン三世
女好きで才能もあるグラフィックデザイナー。妄想癖があり、失恋を境に頭の中が騒がしくなる。
・カービー・スター
チャールズの親友でミュージシャン。暴走気味のチャールズを横で見守る存在。
・サウル
チャールズのマネージャー。仕事も家庭も思うようにいかず、愚痴が多い。
・イヴァナ
チャールズの元恋人。別れたことで、彼の精神状態に大きな影響を与える。
・イジー
チャールズの妹。作家で家庭を持ち、兄とは違う場所に立っている。
・マーニー
有能なアシスタント。仕事面では一番まともに機能している人物。
失恋から始まる自爆スイッチ
チャールズは恋人イヴァナに振られたことで、一気に自暴自棄になる。酒、女、虚勢、全部まとめて空回り。
それでも現実は待ってくれず、彼のデザイン会社は立て直しが必要な状態に追い込まれている。落ち込んでいる暇がないはずなのに、本人の頭の中はそれどころじゃない。
頭の中が勝手に映画を始める
この映画の中心は、チャールズの妄想だ。
失恋のショックは、戦争映画みたいな空想や、ヒーロー気取りの演出、妙に芝居がかった世界として頭の中で再生される。現実の会話や出来事が、いつの間にか脳内映画にすり替わり、観ている側も今どこにいるのか分からなくなってくる。
現実はわりと地味に詰んでいく
妄想が派手になる一方で、現実の問題は淡々と進行する。仕事、友人関係、家族との距離。
誰かが劇的に助けてくれるわけでもなく、人生が急に好転する兆しもない。そのギャップが、チャールズの混乱をさらに加速させていく。
この映画のポイント
・主人公の妄想がそのまま映像になる構成
・1970年代カルチャー全開のビジュアル
・現実より頭の中の方が騒がしい人物描写
・物語というより気分や状態を追いかける作り
たぶんこんな映画
ストーリーを追うというより、誰かの頭の中をそのまま覗いている感覚。
バカバカしい妄想と、どうにもならない現実が交互に来て、整理されないまま進んでいく。
成功しているはずなのに満たされていない男が、ひたすら自分に付き合わされる一本。

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