※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。
ラングーンを越えて
(原題:Beyond Rangoon)
作品データ
1995年|アメリカ|ドラマ
監督:ジョン・ブアマン
出演:パトリシア・アークエット、フランシス・マクドーマンド ほか
心を失った女性が、国を越える逃避行で生きる意味を取り戻す話
家族を失い、感情を閉ざしていたアメリカ人女性ローラが、旅先のビルマで思いがけず歴史のうねりに巻き込まれていく。
最初は癒やしの旅だったはずが、気づけば命を懸けた逃避行に変わり、彼女は「見てしまった現実」からもう目を背けられなくなる。
登場人物
・ローラ・ボーマン
夫と子供を失い、深い喪失感を抱えたアメリカ人女性。
・アンディ・ボーマン
ローラの姉。妹を心配し、共に旅に出る。
・ウー・アウン・コー
ビルマ人男性。ローラをかばったことから軍に追われることになる。
・ビルマの人々
厳しい軍事政権下でも、生きる力を失っていない存在。
傷ついた心を抱えたまま訪れた異国
1988年、民主化運動前夜のラングーン。
ローラは強盗事件で夫と子供を失い、日常を生きる意味を見失っていた。
姉アンディと共に訪れたビルマは、政治的に緊張した状況にありながらも、人々は力強く生活している。
その姿に触れるうち、ローラの中で止まっていた感情が、少しずつ動き始める。
巻き込まれることで、もう戻れなくなる
ある日、トラブルに遭遇したローラは、ビルマ人男性ウー・アウン・コーに助けられる。
だがその出来事をきっかけに、2人は軍から追われる立場になってしまう。
観光客としての立場は一瞬で消え、ローラはこの国の現実を、否応なく自分の問題として背負うことになる。
国境を目指す、命がけの逃避行
軍の追跡を避けながら、ローラとウー・アウン・コーはビルマ脱出を目指す。
道中で目にするのは、弾圧、恐怖、そしてそれでも生きようとする人々の姿。
ローラはただ守られる存在ではなく、自分で選び、進む人間へと変わっていく。
逃げているはずなのに、彼女の足取りはどこか確かなものになっていく。
この映画のポイント
・個人の喪失と、国家規模の悲劇が重なる構成
・観光の視点から当事者へ変わっていく流れ
・派手さより、静かな緊張感を積み重ねる描写
・実体験をもとにした重み
たぶんこんな映画
大声で何かを訴えるタイプじゃない。
景色や沈黙の中に、ずっと重たいものが流れてる。
観終わると、遠い国の出来事だったはずなのに、どこか自分の話みたいに残る、そんな一本。

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