※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。
ザ・ロイヤル・テネンバウムズ
(The Royal Tenenbaums)
作品データ
2001年|アメリカ|ドラマ
監督:ウェス・アンダーソン
出演:ジーン・ハックマン、アンジェリカ・ヒューストン、ベン・スティラー、グウィネス・パルトロー、ルーク・ウィルソン ほか
天才一家がバラバラになって、嘘つき父が全部ひっくり返す話
10代で成功した天才三兄妹と、その原因でもあり中心でもある父ロイヤルの話。
家族を壊した張本人が、死期が近いと嘘をついて戻ってきて、再び同じ屋根の下で暮らすことになる。
そこから過去のわだかまり、言えなかった感情、切れたままだった関係が、少しずつ動き出す。
物語の主要人物
・ロイヤル・テネンバウム(ジーン・ハックマン)
元著名な弁護士。自分勝手な性格が原因で家庭を崩壊させた父親
・エセル・テネンバウム(アンジェリカ・ヒューストン)
ロイヤルの元妻。考古学者で、現在は別の男性から求婚されている
・チャス・テネンバウム(ベン・スティラー)
長男。幼少期に投資で成功した元天才児。父を強く嫌っている
・マーゴ・テネンバウム(グウィネス・パルトロー)
長女。養女であり、劇作家として成功している
・リッチー・テネンバウム(ルーク・ウィルソン)
次男。元プロテニス選手。父から最も可愛がられて育った
天才だった子供たちと、問題だらけの父親
テネンバウム家の子供たちは、10代のうちにそれぞれの分野で成功し、天才児と呼ばれていた。
でもその裏には、父ロイヤルの身勝手な言動や無神経さがあって、家族は次第に壊れていく。
離婚後、子供たちはそれぞれ問題を抱えたまま大人になり、家族は完全にバラバラになる。
嘘から始まる再同居生活
20年後、母エセルが会計士のヘンリーから求婚されたことをきっかけに、ロイヤルが動く。
自分はもうすぐ死ぬ、と嘘をつき、追い出されていた家に戻り、家族全員と再び暮らし始める。
当然、子供たちはロイヤルを信用していない。
それでも同じ空間で生活する中で、過去の出来事や感情が次々と浮かび上がってくる。
それぞれの傷と、家族の終着点
長男チャスは父への怒りを抑えきれず、長女マーゴは誰にも言えなかった秘密を抱え、次男リッチーは叶わなかった思いを引きずっている。
ロイヤルの嘘はやがて明らかになり、家族との関係も一度は決定的に壊れる。
それでも物語は、家族それぞれが自分の人生と向き合い、少しずつ前に進んでいくところへ辿り着く。
この映画のポイント
・家族全員が主役みたいな構成
・過去と現在が絡み合う群像劇
・父親という存在が与える影響の大きさ
・悲劇と笑いが同じテンポで並んでいる語り口
・ナレーションを使った独特の進行
たぶんこんな映画
絵本みたいな見た目で、家族の面倒な感情を淡々と並べていく感じ。
大事件が連続するわけじゃないのに、ずっと誰かの人生の大事な場面を覗いている気分になる。
ちょっと距離のある語り口なのに、不思議と人間くささが残る、そんな時間が流れる映画。

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