※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。
ムーンライト&ヴァレンチノ
(Moonlight and Valentino)
作品データ
1995年|アメリカ|ドラマ
監督:デヴィッド・アンスポー
出演:エリザベス・パーキンス、ウーピー・ゴールドバーグ、キャスリーン・ターナー、グウィネス・パルトロー、ジョン・ボン・ジョヴィ ほか
夫を失った女性の家に、人と感情が静かに出入りしていく話
突然の事故で夫を亡くしたレベッカのもとに、親友や妹、そして距離のあった継母が集まってくる。誰かを元気づけようとしているはずなのに、実は全員がそれぞれ問題を抱えている。喪失の時間の中で、家の塗り替えという小さな出来事が、レベッカの心を少しずつ揺らしていく。
物語の主要人物
・レベッカ・ロット(エリザベス・パーキンス)
詩人で大学講師。突然夫を亡くす。
・シルヴィー・モロー(ウーピー・ゴールドバーグ)
レベッカの親友。明るく振る舞いながら悩みを抱える。
・アルバータ・ラッセル(キャスリーン・ターナー)
レベッカの継母。不仲だったが支えとなる。
・ルーシー・トレガー(グウィネス・パルトロー)
レベッカの妹。姉を気にかけている。
・ペンキ屋(ジョン・ボン・ジョヴィ)
家の塗り替えを請け負う近所の男。
突然の別れと、止まってしまった時間
大学で教えるレベッカは、ある日突然、交通事故で夫を失う。あまりにも急な出来事に、感情が追いつかず、日常は止まったままになる。近所に住む親友シルヴィや妹ルーシーは、なんとか彼女を外へ連れ出そうとするが、空回り気味になる。
意外な支えになった継母
そんな中で、レベッカが本音を話せたのは、長く不仲だった継母アルバータだった。距離のあった関係だからこそ、逆に踏み込みすぎずに寄り添える。三人は一緒に過ごす時間を増やしていくが、実はそれぞれが夫婦関係や人生の行き詰まりを抱えていた。
塗り替えの話と、心の揺れ
ある日、アルバータはレベッカの誕生日に、家の塗り替えをプレゼントしようとする。レベッカは反発するが、担当するのが近所で噂のペンキ屋だと知り、気持ちは複雑になる。家の色が変わる準備と同時に、レベッカの内側でも、止まっていた何かが少しずつ動き始める。
癒えないまま、前へ進むということ
誰かに完全に救われるわけでも、問題が一気に解決するわけでもない。それでも、人と会い、話し、同じ時間を過ごすことで、レベッカは喪失を抱えたまま前へ進む選択をしていく。変化は静かで、小さい。
この映画のポイント
・喪失後の日常を中心にした構成
・女性同士の関係性が物語の軸
・大きな事件より感情の揺れを描く
・家という空間の変化が心情と重なる
たぶんこんな映画
ずっと落ち着いたトーンで進んでいく。笑いもあるけど、どこか控えめで、無理に元気づけない感じ。時間が少しずつ流れ出す様子を横で見守っているような感覚があって、観終わると静かな余韻が残る一本。

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