冷たい月を抱く女

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ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。




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冷たい月を抱く女
(Malice)

作品データ
1993年|アメリカ/カナダ|サスペンス
監督:ハロルド・ベッカー
出演:アレック・ボールドウィン、ニコール・キッドマン、ビル・プルマン ほか

信じた相手が全員ズレていく、静かな町の完全包囲網な話

大学で起きる事件を追うアンディの周囲に、天才医師ジェッドと妻トレイシーが入り込み、善意と合理性が少しずつ歪んでいく。治療、同居、検査、訴訟——一見筋が通っている判断の積み重ねが、気づいた時には出口を塞いでいる。真相に近づくほど、信じていた前提が次々と反転していく。

物語の主要人物

・アンディ・セイフィアン(ビル・プルマン)
大学の学長補佐。事件と家庭の板挟みに合う。

・トレイシー・ケンシンガー(ニコール・キッドマン)
アンディの妻。大学病院でボランティアをしている。

・ジェッド・ヒル(アレック・ボールドウィン)
大学病院に赴任してきた医師。強烈な自信家。

・ダナ・ハリス(ビビ・ニューワース)
連続事件を追う刑事。アンディと接点を持つ。

・デニス・ライリー(ピーター・ギャラガー)
アンディの周囲に現れる弁護士。

連続事件と、偶然の再会

町では女子大学生を狙った事件が続き、大学側の対応に追われるアンディは頭を抱えていた。そんな中、瀕死の被害者を救った医師ジェッドと出会う。高校時代の同級生だった二人は、立場も評価も正反対のまま再会することになる。

同居と手術、合理的すぎる判断

古い屋敷の修理費をきっかけに、アンディは自宅の一部をジェッドに貸す。ほどなくしてトレイシーが腹痛を訴え、ジェッドの執刀で緊急手術が行われる。判断は迅速、説明も明快。結果として命は救われるが、取り返しのつかない代償が残る。

訴訟と勝利、そして増える違和感

病理結果を巡って事態は一変し、トレイシーはジェッドを相手に巨額の賠償を求める。保険で全額が支払われ、表向きは区切りがついたように見える。一方アンディの身辺では、検査結果や事件の線が思わぬ形で重なり始める。

事実が噛み合い始めた夜

アンディは連続事件の犯人に辿り着き、同時に自分自身の身体に関する事実を知る。疑いの矛先は一気に近い場所へ向かい、過去の説明や言動が別の意味を帯びて浮かび上がる。

仕組まれた舞台と、最後の踏み外し

調べを進めたアンディは、複数の名前と役割が一つに繋がっていたことを掴む。罠を張り、相手の動きを待つ中で、欲と恐怖が判断を誤らせ、決定的な一線が越えられる。

この映画のポイント

・医療判断と法的手続きが物語の駆動力
・「正しさ」が状況次第で裏返る構成
・同居という距離感が生む緊張
・会話の理屈が伏線になる展開

たぶんこんな映画

派手な追跡より、説明と合意が怖いタイプ。落ち着いたトーンのまま、いつの間にか足元が崩れていく感触が続く。観終わると、もっと早く気づけたはずの小さな違和感を、後からいくつも思い返す余韻が残る一本。

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