※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。
イギリスから来た男
(The Limey)
作品データ
1999年|アメリカ合衆国|犯罪・ドラマ
監督:スティーヴン・ソダーバーグ
出演:テレンス・スタンプ, レスリー・アン・ウォーレン, ルイス・ガスマン, バリー・ニューマン, ニッキー・カット, ピーター・フォンダ ほか
娘を失った男がロサンゼルスで静かに怒る話
常習犯のイギリス人ウィルソンは、娘ジェニーの不審死を知り、単身ロサンゼルスへ渡る。事故死とされているが、彼は最初から信じていない。聞き込み、暴力、過去の記憶。真相に近づくほど、怒りは大きくならず、むしろ静まっていく。最後に残るのは復讐よりも、父としての選択だった。
ざっくり時系列
娘ジェニーが事故死したと知らされる
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ウィルソンがロサンゼルスへ渡米
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友人エドゥアルドとエレインに聞き込み
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レコードプロデューサーのバレンタインが浮上
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麻薬絡みの倉庫で暴力沙汰
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パーティーに忍び込み証拠を探す
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殺し屋やDEAが絡み状況が混線
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ビッグサーの別荘で最終局面
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娘の死の真相が語られる
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ウィルソンは復讐を選ばず帰国する
物語の主要人物
・ウィルソン(テレンス・スタンプ)
娘の死を疑い渡米するイギリス人の常習犯。
・エレイン(レスリー・アン・ウォーレン)
ジェニーの友人。調査に協力する。
・エドゥアルド(ルイス・ガスマン)
エレインの知人。ウィルソンに付き添う。
・テリー・バレンタイン(ピーター・フォンダ)
裕福な音楽プロデューサー。疑惑の中心人物。
・ジム・エイヴリー(バリー・ニューマン)
バレンタインの周囲を守る男。裏の動きも担う。
ロサンゼルスで始まる、荒っぽい聞き込み
刑期を終えたばかりのウィルソンは、娘の死を確かめるためだけに海を渡る。現地でのやり方は単純で、優しくもない。問い詰め、殴られ、殴り返す。倉庫での一件では、彼のやり方がただの調査じゃないことがはっきりする。怒鳴らないのに、やることは容赦ない。
現在と過去が交互に差し込まれる
調査の合間に挟まるのは、幼い頃のジェニーとの記憶。父の犯罪を止めようとした娘、冗談みたいに交わした約束。現在のロサンゼルスと、過去のロンドンが、会話や映像の断片でつながっていく。事件を追っているはずなのに、見ているのは親子の距離だと気づく。
ビッグサーで明かされる真相
別荘での夜、銃声と裏切りが連鎖する中、ついに語られる真実。ジェニーは事故で死んだわけじゃなかった。止めようとして、取り返しのつかないことが起きた。その告白を前に、ウィルソンは引き金を引ける位置に立つ。でも、彼が選んだのは違う終わり方だった。
この映画のポイント
・復讐劇なのにテンションは低めで静か
・時系列を崩した編集で感情が先に来る
・暴力が派手じゃなく、短く重い
・父と娘の記憶が物語の芯になっている
・ロサンゼルスとビッグサーの風景が感情を補強する
たぶんこんな映画
ドンパチ期待すると肩すかし。でも、じっと見てると効いてくるタイプ。怒りを爆発させない復讐者って、こんなに怖いんだなって後から思う。終わったあとに残るのは、勝ち負けじゃなくて、父親としての後悔と選択。その余韻が長い一本。

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