※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。
タイトル
リトル★ニッキー
(Little Nicky)
作品データ
2000年|アメリカ|コメディ・ファンタジー
監督:スティーヴン・ブリル
出演:アダム・サンドラー、ハーヴェイ・カイテル ほか
地獄の末っ子が地上で父を救いに行く話
地獄の王サタンの末っ子ニッキーは、兄たちの暴走によって崩壊しかけた地獄と、消えかけていく父を救うために地上へ向かう。気弱でいじめられっ子な悪魔が、人間世界で右往左往しながら兄たちを止めようとする話で、家族のゴタゴタとドタバタがそのまま世界規模の騒動になっていく。
登場人物
・ニッキー
前髪を垂らした地獄の第三王子。優しいけど気弱で、喋り方も頼りない。兄たちにいじめられ、シャベルで殴られて顔も歪んでいる。普段は冴えないが、体内には邪悪が詰まっていて、時々とんでもない力や悪魔的なイビキが飛び出す。ヘヴィメタル好きで、ポパイズのフライドチキンが大好物。
・サタン
角を生やした地獄の王。気さくで公平な性格だが、末っ子ニッキーにはかなり甘い。地獄に魂が来なくなると力が弱まり、身体が末端から消えていくという厳しいルールを背負っている。
・エイドリアン
地獄の第一王子。冷酷で頭脳明晰、念力も強い美形。父の決定に反発し、地上で人間に取り憑きながら第二の地獄を作ろうとする。
・カシウス
地獄の第二王子。腕力最強だが頭は単純。エイドリアンに乗せられて地上へ行き、力任せに悪事を働く。ニッキーの顔を歪めた張本人。
・ルシファー
地獄の先王でサタンの父。「地獄で支配する」という信念の持ち主。
・ヴァレリー
デザイン学校に通う女子学生。思いやりがあり、ニッキーのセンスや不器用さを自然に受け入れる存在。
・トッド
俳優志望の男性。中性的な喋り方で、ニッキーと安アパートでルームシェアをする。
・ジョン&ピーター
長髪のヘヴィメタル好き二人組。悪魔崇拝にノリノリで、ニッキーのイビキに異常な興味を示す。
地獄の後継問題からすべてが動き出す
地獄を治めてきたサタンは、そろそろ引退を考えるが、悪と善のバランスを考えるとどの息子も後継には向いていないと判断し、あと一万年は自分が続けると宣言する。
これに激怒したエイドリアンとカシウスは、勝手に地上へ飛び出し、人間世界に地獄を作ろうと暴れ始める。その結果、人間の魂が地獄に落ちてこなくなり、サタンの身体は少しずつ崩壊していく。
気弱な悪魔、はじめての人間社会
父を救うため、ニッキーは単身で地上へ向かう。ところが、人間社会は地獄と勝手が違いすぎる。力はうまく使えず、会話も噛み合わず、住む場所も仕事も右往左往。
そんな中で出会うのがヴァレリーやトッド、ヘヴィメタル仲間たちだ。ニッキーは人間と関わるうちに、自分が悪魔であることと、優しさを持っていることの間で揺れながら、兄たちの居場所を追っていく。
兄弟対決と地獄の行方
地上で勢力を広げるエイドリアンとカシウスに対し、ニッキーは少しずつ自分の中の邪悪な力を引き出していく。
兄弟の衝突はやがて決定的な局面を迎え、地獄の支配の形そのものが問われることになる。父サタンの運命、地獄の仕組み、そしてニッキー自身が何者なのかが、一気に収束していく。
この映画のポイント
・地獄の王位継承という大仰な設定を、全力でバカ方向に振り切っている
・気弱で不器用な主人公が、環境に振り回されながら前に進む構図
・悪魔、地獄、天国といったモチーフを軽口と下ネタで消化していく勢い
・ヘヴィメタルや90年代アメリカ文化の空気がそのまま詰まっている
たぶんこんな映画
地獄の話なのに妙に人間くさくて、家族ゲンカの延長みたいなノリで世界が揺れる。下品なギャグと素朴な優しさが同じ画面に並び、勢いで最後まで連れていくタイプの一本。
深く考える暇を与えず、地上と地獄を行ったり来たりしながら、気づいたら全部終わっている、そんなテンポ感の映画。

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