※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。
晩秋
(Dad)
作品データ
1989年|アメリカ|ドラマ
監督:ゲイリー・デイヴィッド・ゴールドバーグ
出演:ジャック・レモン、テッド・ダンソン、オリンピア・デュカキス、ケヴィン・スペイシー ほか
仕事人間の息子が、父の人生にもう一度付き合う話
仕事一筋で生きてきたジョンは、母の倒れた知らせをきっかけに実家へ戻る。そこから始まったのは、病を抱える父ジェイクとの同居生活。介護を通して、父は少しずつ変わり、家族の関係も揺れ動いていく。元に戻る話ではなく、変わっていく時間そのものを受け止めていく物語。
物語の主要人物
・ジェイク・トレモント(ジャック・レモン)
癌を患う父親。介護を受けながら変化していく。
・ジョン・トレモント(テッド・ダンソン)
仕事一筋の息子。父と向き合う決意をする。
・ベティ・トレモント(オリンピア・デュカキス)
ジェイクの妻。変わっていく夫に戸惑う。
・マリオ(ケヴィン・スペイシー)
家族として集まる娘婿の一人。
・ビリー・トレモント(イーサン・ホーク)
ジョンの息子。三世代の時間をつなぐ存在。
帰郷と、立て続けに起こる家族の異変
ある日、ジョンのもとに母ベティが心筋梗塞で倒れたという連絡が入る。急いで帰郷すると、母の容体は落ち着いていたが、今度は父ジェイクが癌を患っていることが判明する。病院での父への冷たい対応に納得できないジョンは、自分が一緒に暮らして介護すると決める。
父の回復と、見えてくる違和感
ジョンの献身的な介護で、ジェイクは次第に元気を取り戻していく。母も退院し、家族が再び集まる時間が戻ってくる。ところがジェイクは、これまでとは別人のような一面を見せ始める。農場で暮らしていた頃のように活発で、性格の違う人格が前に出てくるようになる。
ぶつかる母と息子、そして父の仲裁
変わってしまったジェイクに戸惑うベティは、夕食の席でジョンと激しく衝突する。家族の空気が張り詰める中、ジェイクは必死に二人をなだめる。彼の言葉を通して、ベティは「今のジェイク」を受け入れる決意をする。家族は、元に戻すことではなく、今をどう生きるかを選んでいく。
この映画のポイント
・介護を通して見えてくる親子の関係
・病気による変化を中心に据えた家族の物語
・三世代が同じ時間を共有する構図
・日常の会話や食卓が大きな意味を持つ
たぶんこんな映画
大きな事件が続くわけじゃなくて、家の中の時間がゆっくり積み重なっていく。笑ったり、戸惑ったり、言い合ったりしながら、それでも一緒に過ごす日々が描かれる。観ていると、親のことや家族の距離をふと思い出すような、静かであたたかい余韻が残る一本。

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