※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。
ヘンリー&ジューン/私が愛した男と女
(Henry & June)
作品データ
1990年|アメリカ|ドラマ
監督:フィリップ・カウフマン
出演:マリア・デ・メディロス、フレッド・ウォード、ユマ・サーマン、リチャード・E・グラント、ケヴィン・スペイシー ほか
日記を書いていた女性が、二人の作家と感情ごと絡み合っていく話
1930年代のパリ。日記に自分の内面を書き続けていたアナイスは、無名の作家ヘンリー、そして彼の妻ジューンと出会い、三人の関係に巻き込まれていく。惹かれ合い、混ざり合い、距離が揺れ動く中で、アナイスの世界は一気に広がっていく。出来事そのものより、感情の流れが物語を動かしていく。
物語の主要人物
・アナイス・ニン(マリア・デ・メディロス)
作家。日記に自分の感情や衝動を書き留めている。
・ヘンリー・ミラー(フレッド・ウォード)
無名の作家。強い存在感で周囲を引き寄せる。
・ジューン・ミラー(ユマ・サーマン)
ヘンリーの妻。大胆で自由な性格を持つ。
・ヒューゴー・ガイラー(リチャード・E・グラント)
アナイスの夫。国際銀行家。
・リチャード・オズボーン(ケヴィン・スペイシー)
アナイスの周囲に現れる人物。
パリで始まる静かな日常と、日記という居場所
1931年、アナイスは夫ヒューゴーの仕事のためパリへ移り住む。表向きは落ち着いた生活を送っているが、彼女の内面はかなり自由で奔放。その感情はすべて日記に書き留められている。そんな別荘生活の中に、客として現れたのが無名の作家ヘンリーだった。
ヘンリーと、その語られるジューンの存在
ヘンリーと親しくなる中で、アナイスは彼が妻ジューンの映画を観て涙を流している場面に立ち会う。ニューヨークに残されたジューンは、貧しさの中でヘンリーを支えていた人物だった。ヘンリーの語るジューンは、遠くにいながらも強烈な存在感を放ち、アナイスの心に引っかかり続ける。
三人が出会い、関係が形を変えていく
やがてジューンがパリへやって来る。実際に会った彼女は、アナイスが想像していた以上に強く、自由で、魅力的な人物だった。両性愛者でもあるアナイスは、ヘンリーだけでなくジューンにも惹かれていく。三人の関係はは、友情、愛情、欲望が入り混じりながら、固定できない形へ変わっていく。
この映画のポイント
・実話と日記をもとにした構成
・出来事より感情の動きが中心
・1930年代パリの空気感
・三人それぞれの距離の変化が軸になる
たぶんこんな映画
派手な展開は少なくて、会話や視線、沈黙が多い。何か大きな事件が起きるというより、感情が少しずつ揺れていく様子をずっと見ている感じになる。芸術や恋愛、自由について、答えを出さずに漂い続ける時間が流れていて、観終わると不思議と日記を読み終えた後みたいな余韻が残る一本。

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