※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。
私が愛したギャングスター
(Ordinary Decent Criminal)
作品データ
2000年|イギリス・ドイツ・アイルランド・アメリカ|犯罪
監督:サディウス・オサリヴァン
出演:ケヴィン・スペイシー、リンダ・フィオレンティーノ、スティーヴン・ディレイン、コリン・ファレル ほか
家族思いの天才ギャングが名画を盗んで街をかき回す話
ダブリンで名を馳せる強盗団のボスが、愛する家族と仲間を抱えながら、金のためではなく体制への挑発として犯罪を重ねていく。軽やかな犯罪劇の顔をしつつ、信頼と裏切り、愛と孤独がじわっと染みてくる。
物語の主要人物
・マイケル・リンチ(ケヴィン・スペイシー)
ダブリンの悪名高い犯罪者。天才的な手腕で証拠を残さない。
・クリスティーン・リンチ(リンダ・フィオレンティーノ)
マイケルの妻の一人。家庭を支える存在。
・リサ(ヘレン・バクセンデイル)
クリスティーンの姉妹で、もう一人の妻。
・ノエル・クイグリー(スティーヴン・ディレイン)
マイケルを追う警察側の人物。
・アレック(コリン・ファレル)
若い仲間。マイケルのやり方に惹かれていく。
ダブリン一の悪党、家では良き父親
ダブリンで最も名の知れた犯罪者マイケル・リンチは、仲間と共に大胆な強盗を繰り返しながら、家に帰れば子ども思いの父親として暮らしている。
彼の狙いは単なる金儲けではなく、富裕層や体制に対する痛快な挑発。その姿勢が仲間を惹きつけ、街の伝説になっていく。
名画強奪という美しい大仕事
今回の標的は、カラヴァッジョの名画『キリストの逮捕』。
緻密な計画と直感的な判断で、マイケルたちは見事に名画を盗み出す。犯行は鮮やかで、警察はいつものように決定打を掴めない。だが、成功の裏で仲間内の緊張や疑念が少しずつ膨らんでいく。
愛と忠誠が揺らぐ分かれ道
警察の包囲が狭まり、仲間それぞれの思惑が表に出始める。
マイケルの生き方に共感する者もいれば、別の未来を望む者もいる。家族を守りたい気持ちと、ギャングとしての矜持の間で、マイケルは選択を迫られていく。
この映画のポイント
クライムものなのに、全体の空気はどこか軽やか。
主人公が完璧すぎないことで、人間関係の歪みが自然に浮かび上がる。
名画強奪という題材が、犯罪を一段ロマン寄りに見せている。
ダブリンの街並みと人物の距離感が物語の味になっている。
たぶんこんな映画
派手な銃撃戦より、会話と空気で進んでいく。
悪党の話なのに、なぜか人間くささが残る。
観終わると、うまく生きるって何だろうと少し考えさせられる一本。

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