※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。
ロンリー・ブラッド
(At Close Range)
作品データ
1986年|アメリカ|クライム
監督:ジェームズ・フォーリー
出演:ショーン・ペン、クリストファー・ウォーケン、メアリー・スチュアート・マスターソン ほか
父に憧れた息子が、父から逃げることになる話
田舎町で暮らす青年ブラッド・ジュニアの前に、家族を捨てた父が突然戻ってくる。危険な匂いのする父に惹かれ、同じ道を歩き始めるジュニアだったが、次第にその世界の歪さと残酷さに気づいていく。父と息子、憧れと恐怖が絡まり合い、逃げ場のない関係が破綻していくまでが描かれていく。
物語の主要人物
・ブラッド・ジュニア(ショーン・ペン)
田舎町で母と弟と暮らす青年
・ブラッド・シニア(クリストファー・ウォーケン)
家族を捨てて犯罪に生きる父親
・テリー(メアリー・スチュアート・マスターソン)
ジュニアの恋人
・トミー(クリストファー・ペン)
ジュニアの弟
父の帰還と、危険な憧れの始まり
ペンシルベニアの田舎町。母と弟と平凡に暮らしていたブラッド・ジュニアの前に、長年姿を消していた父ブラッド・シニアが現れる。アウトローとして生きる父の姿は、退屈な日常を送っていたジュニアには魅力的に映った。やがてジュニアは弟や友人を誘い、盗みを働くようになり、父の一味に足を踏み入れていく。
一緒にいればいるほど、見えてくる狂気
父のそばで過ごすうちに、ジュニアは次第に違和感を覚える。父は人の命を軽く扱い、躊躇なく引き金を引く男だった。ジュニアはこの世界から抜け出そうとするが、窃盗で逮捕され、思うように動けなくなる。そんな中で起きた出来事が、父と息子の関係を決定的に壊していく。
逃げようとした先に待っていた、最悪の結末
父はジュニアの恋人テリーを利用し、息子を精神的に追い詰める。真実を知ったジュニアは、父の犯罪を証言する代わりに釈放され、テリーと町を出る決心を固める。しかし旅立ちの直前、父は二人を銃撃し、テリーは命を落とす。ついにジュニアは、これまで向けることのできなかった銃口を父に向ける。
この映画のポイント
・実際の事件をもとにした物語
・父と息子の歪んだ関係性
・田舎町の閉塞感
・犯罪に引き寄せられていく心理の描写
たぶんこんな映画
全体に漂うのは、逃げたくても逃げられない空気。親子という近すぎる距離が、かえって息苦しさを生み出している。派手な展開よりも、人間関係が少しずつ壊れていく過程が強く残る一本。主題歌が流れる場面も含めて、重たい余韻が静かに続いていく。

コメント