※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。

ファースト・マン
(First Man)
作品データ
2018年|アメリカ合衆国|伝記ドラマ
監督:デイミアン・チャゼル
出演:ライアン・ゴズリング, クレア・フォイ, ジェイソン・クラーク, カイル・チャンドラー ほか
人類初の一歩の裏で、ずっと感情を飲み込んでいた男の話
月面着陸という歴史的瞬間に向かう数年間を、派手な英雄譚じゃなく、黙々と耐え続ける一人の男の視点で描く。成功の裏に積み重なった事故、死、家庭の沈黙。その全部を抱えたまま、ニール・アームストロングは月へ向かう。
ざっくり時系列
X-15のテスト飛行で危険な経験をする
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娘カレンが病で亡くなる
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ジェミニ計画に参加し宇宙飛行士になる
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仲間たちの事故と死が続く
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ジェミニ8号で危機的トラブルを乗り越える
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アポロ1号の火災事故が起きる
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アポロ11号の指揮官に選ばれる
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家族と感情的な距離が広がる
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月面着陸を成功させる
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月に私的な別れを残して帰還する
物語の主要人物
・ニール・アームストロング(ライアン・ゴズリング)
NASAの宇宙飛行士でアポロ11号の指揮官
・ジャネット・アームストロング(クレア・フォイ)
ニールの妻で家族を支える存在
・エド・ホワイト(ジェイソン・クラーク)
ニールの友人で宇宙飛行士
・ディーク・スレイトン(カイル・チャンドラー)
NASAで宇宙飛行士選抜を担う人物
偉業の前に積み重なる喪失
物語は栄光より先に喪失から始まる。娘の死、同僚の事故、避けられない危険。ニールは感情を外に出さず、淡々と仕事を続ける。その姿勢が評価される一方で、家庭との距離は少しずつ広がっていく。
宇宙は英雄を試す場所じゃない
訓練もミッションも、決して美しく描かれない。金属音、振動、視界の悪さ。宇宙はロマンより先に不安が来る場所として描かれる。ジェミニ8号のトラブルは、その象徴みたいな出来事だ。
月面で初めて語られる個人的な感情
月に降り立ったニールは、歴史的な言葉を残したあと、誰にも見せない行動をとる。そこで初めて、彼が抱え続けてきた感情が外に出る。帰還後の再会は、派手じゃないけど静かに重い。
この映画のポイント
・英雄視を避けた距離感のある演出
・宇宙開発の危険性を体感させる音と映像
・家庭と仕事の断絶を丁寧に描く構成
・月面着陸を「ゴール」にしない視点
たぶんこんな映画
テンションが上がるタイプじゃないけど、じわじわ効く。成功の瞬間より、その前後の沈黙が印象に残る。観終わったあと、「偉業って誰のものなんだろう」って少し考えたくなる映画。

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