※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。

ブロンド
(Blonde)
作品データ
2022年|アメリカ合衆国|心理ドラマ
監督:アンドリュー・ドミニク
出演:アナ・デ・アルマス, エイドリアン・ブロディ, ボビー・カナヴェイル, ザビエル・サミュエル, ジュリアン・ニコルソン ほか
マリリン・モンローという名前に押し潰されていく話
ハリウッドのスター「マリリン・モンロー」として見られ続けた女性、ノーマ・ジーン。その内側で何が起きていたのかを、事実とフィクションを混ぜながら描いていく。成功と称賛の裏で、幼少期の傷、孤独、恐怖が積み重なり、名前そのものが彼女を追い詰めていく。
ざっくり時系列
不安定な母親のもとで育つ
↓
暴力と恐怖の記憶を抱えて孤児院へ
↓
モデルとして注目される
↓
女優として映画界に入る
↓
スターとして有名になる
↓
恋愛と結婚を繰り返す
↓
妊娠と喪失を経験する
↓
世間の期待と自分のズレに苦しむ
↓
精神的に追い込まれていく
↓
薬と幻覚に支配される
↓
最期の選択にたどり着く
物語の主要人物
・ノーマ・ジーン/マリリン・モンロー(アナ・デ・アルマス)
女優として成功する一方で、内面に深い孤独を抱える女性
・グラディス・パール・ベイカー(ジュリアン・ニコルソン)
精神的に不安定なノーマ・ジーンの母親
・アーサー・ミラー(エイドリアン・ブロディ)
ノーマ・ジーンの夫となる劇作家
・ジョー・ディマジオ(ボビー・カナヴェイル)
彼女と結婚する元アスリート
・キャス・チャップリン(ザビエル・サミュエル)
若き日のノーマ・ジーンと関係を持つ男性
幼少期の恐怖がずっと残っている
物語は、母親グラディスと暮らす幼いノーマ・ジーンから始まる。突然の怒り、暴力、溺れさせられそうになる体験。安心できる場所はなく、やがて孤児院へ送られる。この時の恐怖と「父親を知らない」という欠落が、彼女の中にずっと残り続ける。
スターになるほど、自分が消えていく
大人になったノーマ・ジーンは「マリリン・モンロー」として成功していく。映画に出演し、注目を集め、称賛される一方で、それは彼女自身ではないという感覚が強くなる。恋愛や結婚を通して居場所を求めるが、理解されることは少なく、妊娠や喪失の経験がさらに心を追い詰めていく。
名前だけが残る終着点
マスコミの視線、仕事の重圧、薬への依存が重なり、現実と幻覚の境界が曖昧になっていく。ノーマ・ジーンは、自分が「マリリン・モンロー」であることが、この人生を招いたのではないかと考えるようになる。そして、過去と向き合う幻覚の中で、彼女は最期の選択を迎える。
この映画のポイント
・実話ではなく小説を原作にしたフィクション
・スター像ではなく内面の視点が中心
・カラーとモノクロを切り替えた映像表現
・成功と孤独が同時に描かれている
たぶんこんな映画
華やかな世界を描いているようで、ずっと重たい空気が流れている。出来事を追うというより、感情の渦の中に放り込まれる感覚に近い。マリリン・モンローという名前よりも、その奥にいたノーマ・ジーンの存在が強く残る、そんな雰囲気の映画。

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