※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。
デス・プルーフ in グラインドハウス
(英:Death Proof)
作品データ
2007年|アメリカ|スリラー/アクション
監督:クエンティン・タランティーノ
出演:カート・ラッセル、ゾーイ・ベル、ロザリオ・ドーソン、ヴァネッサ・フェルリト ほか
会話が長くて、車が速い。危険は後からやってくる
最初はとにかくおしゃべりが続く。
バーでの雑談、車の話、どうでもよさそうなやり取り。
なのに、どこか落ち着かない空気が混じっていて、「このままじゃ終わらなさそうだな」という気配だけが残る。
派手さより、嫌な予感がじわじわ溜まっていく入り方。
謎の男と“死なない車”
黒い車に乗った、どこか愛想のいい男が現れる。
スタントマンを名乗っていて、車は“デス・プルーフ”、つまり事故っても運転手だけは死なない仕様らしい。
冗談みたいな説明なのに、その言葉が頭に引っかかる。
この時点では、まだ本気で怖がるほどじゃない。
夜のドライブが、取り返しのつかない方向へ
若い女性たちが車に乗り込み、軽いノリで夜のドライブに出る。
会話は続いて、音楽も鳴っていて、楽しそうな時間が流れる。
そこに、あの黒い車が絡んでくる。
一瞬で空気が変わって、状況が制御不能になる。
仕切り直しの後半戦
物語はここで一度リセットされる。
登場人物が変わって、場所も変わって、また会話が続く。
同じような構造なのに、今度は雰囲気が少し違う。
車やスタントの話が増えて、「走ること」そのものが前に出てくる。
追われる側と、追う側が入れ替わる
後半では、車のスピードと距離感が一気に主役になる。
誰が強くて、誰が不利なのかが、走りながら入れ替わっていく。
さっきまで余裕だった側が追い詰められて、状況が反転していく流れがはっきり見えてくる。
ラストは、溜まっていたものの行き先
最後は、これまで積み重なっていた緊張が一気に噴き出す。
長い会話も、嫌な予感も、全部ここにつながっていたように感じられる。
終わり方はあっさりしているけど、その分、感情の出口がはっきりしている。
たぶんこんな映画
雑談と沈黙でじっくり溜めて、走り出したら一気に放出するタイプの作品。
ホラーっぽくもあり、カーチェイス映画っぽくもあって、ジャンルが少し揺れている。
派手な展開より、「嫌な感じ」と「爽快感」の落差が印象に残る。
観終わったあと、車の音だけがしばらく耳に残るタイプの一本。

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