風と共に去る20ドル!?

※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。




風と共に去る20ドル!?
銀行から急ぎ足で帰る女性のポケットからこぼれ落ちた一枚の紙幣。風に舞い上がったこの20ドル札は、クジに全ての運を賭けるホームレスの老女の手をすりぬけ、スケートボードに乗った少年の手に。少年からケーキ屋へ、ウェディング・ケーキの注文に訪れた花嫁の父へ、そして結婚の贈り物として花婿へ渡り、ついにはチップとなってストリッパー...



風と共に去る20ドル!?

(原題:Twenty Bucks)

作品データ
1993年|アメリカ|群像劇/コメディ・ドラマ
監督:キーヴァ・ローゼンフェルド
出演:リンダ・ハント、ブレンダン・フレイザー、
クリストファー・ロイド、スティーヴ・ブシェミ ほか


たった20ドルが、街を一周する

大事件は起きない。
でも、手渡された瞬間から、ちょっとだけ人生の流れが変わる。
主役は人じゃなくて紙幣、という変化球が楽しい入口。

ゆるっと要約

ある20ドル札が、ひとりの人物から次の人物へと渡っていく。
使う理由も、使われる場面もバラバラで、
その都度、持ち主の事情や感情が少しだけ表に出る。
紙幣は街を巡り、
やがて最初とは違う意味を帯びた状態で、次の手に渡っていく。

20ドルに映る、いろんな生活

この映画は、ひとつの視点に腰を据えない。
働く人、夢を見ている人、行き詰まっている人。
20ドルを受け取る瞬間だけ、
その人の生活がちらっと覗ける。

長く説明されない分、
空気や表情で察する余白が多い。

金額の軽さと、重さ

20ドルって、
大金ではないけど、無視できるほど軽くもない。
ちょっとした買い物ができて、
一瞬の安心も手に入る。

その中途半端さが、
人の判断を揺らす。
使うか、取っておくか、別の形に変えるか。

すれ違いと連なり

登場人物たちは、
直接会話しないまま、どこかで繋がっている。
同じ20ドルを挟んで、
街の中でゆるく連なっていく感じ。

偶然が続いているようで、
よく見ると、同じ場所や空気が何度も出てくる。

終盤の巡り

紙幣はさらに手を離れ、
最初とは違う文脈で使われる。
良くも悪くも、
20ドルは何も覚えていないけど、
人の側には、ちょっとした痕跡が残る。

大きな結論は出さずに、
流れだけが続いていく。

たぶんこんな映画

誰かの人生を深掘りするというより、
街の呼吸を感じるタイプ。
20ドルが通り過ぎたあと、
「あ、自分ならどう使うかな」って
一瞬だけ考えさせられる映画。

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