※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。
ファーゴ
(Fargo)
作品データ
1996年|アメリカ(ミネソタ)|クライム/ブラックコメディ
監督:ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン
出演:フランシス・マクドーマンド、ウィリアム・H・メイシー、スティーヴ・ブシェミー、ピーター・ストーメア ほか
お金に困った男が誘拐を頼んだら全部ズレていく話
わりと小心者の男が、ちょっとした金策のつもりで危ない選択をして、
そこから先が想像以上にひどい方向へ転がっていく。
雪景色の中で起こる出来事なのに、空気はどんどん冷えなくなっていく感じ。
だいたい何が起こるかを一気にまとめると
自動車ディーラーのジェリーは、お金に困っていて、
妻を誘拐して身代金を取るという計画を立てる。
実行役として雇ったのは、どう見ても信用できなさそうな男2人。
計画は最初から歯車が噛み合わず、誘拐事件は思わぬ殺人を引き起こしてしまう。
気弱な主犯と、雇われた危険人物たち
ジェリーは終始おどおどしていて、事態をコントロールできていない。
一方で実行犯の2人は、無口で不気味なタイプと、口数が多くて短気なタイプ。
この組み合わせが絶妙に悪くて、トラブルが起こるたびに被害が増えていく。
雪しかない町でじわじわ事件が広がる
舞台はミネソタ周辺の小さな町や高速道路。
どこへ行っても雪、雪、雪で、逃げ場がなさそうな空気。
事件は点で起きているように見えて、少しずつ線でつながっていく。
小さな嘘が取り返しのつかない事態に
最初は誘拐だけのつもりだった話が、
殺人、口封じ、裏切りと、どんどんエスカレートしていく。
ジェリーは場当たり的に嘘を重ねていって、
そのたびに状況が悪化していくのが見えてしまう。
静かに追い詰められて終わっていく
事件を追うのは、妊娠中の女性警察官マージ。
淡々と、でも確実に事実を拾っていって、
最終的には、雪原の中でとんでもない光景に行き着く。
計画は完全に崩れて、関係者はそれぞれの結末を迎える。
この映画のポイントは温度差
凄惨な事件が起きているのに、登場人物の受け答えは妙にのんびり。
真面目なのか冗談なのかわからない空気がずっと続く。
そのズレが、怖さと可笑しさを同時に生んでいる感じ。
たぶんこんな映画
派手な展開よりも、じわじわ効いてくるタイプ。
観終わったあと、雪景色と間の取り方だけが妙に記憶に残る。
「なんでこうなったんだろうなあ」と、登場人物全員に思ってしまう映画かもしれない。

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