※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。
バッド・ルーテナント
(Bad Lieutenant: Port of Call New Orleans)
作品データ
2009年|アメリカ|クライム/ドラマ
監督:ヴェルナー・ヘルツォーク
出演:ニコラス・ケイジ、エヴァ・メンデス、ヴァル・キルマー、ジェニファー・クーリッジ ほか
正義と薬物と運の悪さが全部混ざった警官の話
仕事中の判断ミスと偶然が積み重なって、警官なのにどんどん危うい方向へ滑っていく男の話になっている。
災害後の街で壊れかけの捜査が進む
ハリケーン後のニューオーリンズで警官として働くテレンスは、現場での行動が評価されて昇進するものの、その代償として身体に痛みを抱えるようになる。鎮痛剤に頼る生活が続く中、殺人事件の捜査を任され、裏社会やドラッグと関わりながら、危うい綱渡りの捜査が進んでいく。
まともそうで全然まとまらないテレンスという男
テレンスは仕事熱心に見える瞬間もあるけど、判断基準がかなり揺れている。警官としての立場を使ったり、使わなかったり、その場のノリで選択を変えていく。自分では制御できているつもりでも、周囲から見るとかなり危なっかしい存在として映っている。
復興途中で歪んだニューオーリンズの街
舞台は災害の爪痕が残る街で、明るさと荒れた空気が同時に存在している。警察署、クラブ、路地裏といった場所が次々に出てきて、秩序があるようで実は崩れている雰囲気がずっと漂っている。
捜査と私生活がぐちゃぐちゃに絡む展開
事件を追う中で、テレンスは犯罪者とも奇妙な関係を築いていく。恋人との関係も安定せず、薬の影響もあって現実感が薄れていく。捜査が進んでいるのか壊れているのか分からない状態で、話はどんどん逸れていく。
何かが片付いたようで何も解決していない終盤
事件自体は一応の決着を迎えるけど、テレンス自身が救われた感じはあまり残らない。運と偶然に助けられたような形で状況が落ち着き、本人もどこか達観したような顔を見せる。そのまま、妙に軽い余韻を残して物語は終わる。
この映画のポイントは一貫しなさ
善悪、正義、不正といった軸が最後まで揃わない。警官ものとして観るとズレた感じが強く、むしろ不安定な人間を追い続ける映画、という印象が前に出ている。
たぶんこんな映画
緊張感のある捜査劇を期待すると肩透かしかもしれないけど、先の読めない行動を眺める時間として観ると独特。真面目なのかふざけているのか分からないまま、変な後味だけが残るタイプかもしれない。

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