※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。

ダブル/フェイス
(Inconceivable)
作品データ
2017年|アメリカ合衆国|スリラー
監督:ジョナサン・ベイカー
出演:ニコラス・ケイジ、ジーナ・ガーション、ニッキー・ウェラン ほか
家庭に入り込んできた他人が、少しずつ全部を狂わせる話
一見うまくいっていそうな家庭に、外から来た存在が入り込む。
最初は親切で、頼れる人に見えるのに、だんだん違和感が増えていく。
ニコラス・ケイジが、その「何かおかしい」空気を家庭側から受け止める立場にいる。
助け合いから始まって、疑いに変わっていく
物語は、子どもを亡くした女性が、新しい土地で暮らし始めるところから動き出す。
そこで出会ったのが、医師の夫とその妻、そして子どもがいる家庭。
同じく過去に問題を抱えていることもあって、自然と距離が縮まっていく。
子育てを手伝ったり、家族ぐるみで関わったりする中で、生活に深く入り込んでいく。
ただ、些細なズレや隠し事が見え始めて、安心だった関係が不安に変わっていく。
家族を守ろうとする父親
ニコラス・ケイジが演じるのは、医師として働く父親。
理性的で落ち着いているように見えるけど、違和感にはかなり敏感。
家庭の平穏が崩れそうになると、はっきり警戒心を見せる。
ただ、その警戒が正しいのかどうか、自分でも確信が持てない状態が続く。
外から来た、どこか影のある女性
新しく現れた女性は、助けを必要としているように見える。
過去の出来事についても、少しずつ語っていくけど、話が噛み合わない部分もある。
被害者なのか、別の顔があるのかが分からないまま、存在感だけが大きくなる。
家庭に溶け込む速さが、逆に不安を煽る。
夫婦の間に生まれる温度差
妻は、彼女に同情し、支えたい気持ちが強い。
一方で夫は、距離を取ろうとする。
同じ出来事を見ていても、感じ方が違っていて、会話が噛み合わなくなる。
このズレが、家庭内の緊張を高めていく。
日常の中で積み重なる小さな異変
物がなくなる、言っていないはずのことを知っている。
偶然とも取れる出来事が重なって、安心できる時間が減っていく。
直接的な暴力より、心理的な圧迫が前に出てくる。
家の中なのに、落ち着かない空気が続く。
取り返しのつかない事実が見えてくる終盤
物語が進むにつれて、隠されていた過去や動機が浮かび上がる。
信じていた関係が、全く違う意味を持っていたことに気づく。
ここで一気に緊張が高まり、選択を迫られる場面が続く。
家族を守るために、何を信じるのかがはっきり問われる。
最後は、守ろうとしたものが試される
クライマックスでは、ここまでの違和感が一つにつながる。
誰が嘘をついていたのか、何が目的だったのかが明確になる。
安心が戻るかどうかより、「何を失ったのか」が残る形で話は区切られる。
静かだけど、後味は軽くない。
この映画のポイントは、家庭という閉じた空間
舞台はほぼ家の中。
逃げ場がない場所で、疑いが育っていく。
外敵より、人を信じること自体が怖くなる構造が中心。
たぶん、観終わったあと人との距離を考える映画
親切と侵入の境目が、かなり曖昧に描かれる。
善意がいつ危険に変わるのか、簡単には分からない。
日常に潜む不安が、じわっと残る一本かも。

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