※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。

トカレフ
(Tokarev/Rage)
作品データ
2014年|アメリカ合衆国|アクション/クライム/スリラー
監督:パコ・カベサス
出演:ニコラス・ケイジ、レイチェル・ニコルズ、ピーター・ストーメア ほか
元ワルの親父が、娘のために全部を壊しにいく話
昔は裏社会で名を知られていた男が、今は家族を大事にする父親として生きている。
でも、その「今」が突然ひっくり返されて、眠っていた過去が一気に目を覚ます。
ニコラス・ケイジが、静かな顔のまま怒りを溜めて、迷いなく突き進んでいく感じの話。
平穏な生活が一瞬で崩れて、復讐が始まる流れ
物語は、主人公がすでに裏社会から足を洗っているところから始まる。
家族と過ごす日常があって、仕事もあって、「もう昔とは違う」状態。
ところが、ある事件をきっかけに、最悪の形で娘が巻き込まれる。
警察の動きを待つ余裕なんてなくて、主人公は自分のやり方で犯人を探し始める。
ここから話は一気に、復讐一直線の流れになっていく。
過去を背負ったまま生きてきた父親
ニコラス・ケイジの役は、元犯罪組織の中心にいた男。
今は更生しているけど、過去の人脈も、暴力の感覚も、完全には消えていない。
娘への愛情は本物で、それがあるからこそ、歯止めが効かなくなっていく。
優しい父親と、冷酷な元ワルが同時に存在している感じがずっと続く。
裏社会に残っている、信用できない昔の仲間たち
主人公が頼ることになるのは、かつて一緒に裏の世界を生きてきた仲間たち。
ピーター・ストーメア演じる男を含め、誰もが一癖も二癖もある。
協力しているように見えて、どこまで本音なのか分からない空気が漂う。
昔の因縁が、会話の端々からにじみ出てくる。
娘の行方を追う中で、疑いが広がっていく
調べを進めるうちに、犯人像は一つに絞られず、むしろ混乱していく。
ロシアンマフィア、過去の敵、裏切った仲間。
どれもあり得そうで、どれも決定打に欠ける。
主人公は疑う相手を次々に変えながら、力で答えを引きずり出そうとする。
暴力が連鎖して、引き返せなくなる展開
復讐が進むほど、事態は悪化していく。
一つ片付けても、また次の問題が出てくる。
主人公自身も、どこまで行けば終わるのか分からないまま突き進む。
「娘のため」という理由が、すべてを正当化しているように見えて、同時に重くのしかかる。
最後に明かされる、事件の本当の形
終盤では、ここまでの行動が別の角度から繋がってくる。
誰が何を隠していて、何が勘違いだったのかが、少しずつ見えてくる。
復讐の矛先が定まり、主人公は最後の選択を迫られる。
スッと終わるというより、苦味が残る形で話は閉じていく。
この映画のポイントは、怒りが止まらなくなる感じ
アクションは多めだけど、派手さより感情の荒さが前に出ている。
怒りが怒りを呼んで、冷静さが削れていく様子が印象に残る。
正しいかどうかより、「止まれない」状態を見せ続ける構成になっている。
たぶん、観終わったあと少し黙りたくなる映画
勢いで突っ走る話なのに、後味は意外と静か。
家族の話でもあり、過去から逃げきれない話でもあって、簡単には割り切れない。
アクションを観たはずなのに、最後に残るのは重たい感情、そんなタイプかも。

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