※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。

オレの獲物はビンラディン
(Army of One)
作品データ
2016年|アメリカ合衆国|コメディ/ドラマ
監督:ラリー・チャールズ
出演:ニコラス・ケイジ、ラッセル・ブランド、レイン・ウィルソン ほか
思い込みだけで世界を救いに行こうとする男の話
「自分がやるしかない」と本気で信じ込んだ一般人が、誰にも止められず突き進んでいく。
無謀だし現実離れしてるのに、本人だけはめちゃくちゃ真剣。
ニコラス・ケイジが、そのズレた確信を全力で背負って動き回る話。
啓示を受けた男が、単独行動を開始する
物語は、アメリカで平凡な生活を送っている主人公が、突然「神からのメッセージ」を受け取ったと信じるところから始まる。
内容はかなり大胆で、世界的なテロリストを自分の手で捕まえる、というもの。
周囲は当然まともに取り合わないけど、本人は準備を進めてしまう。
装備を整え、訓練っぽいことをして、ついには中東へ向かう。
計画性はほぼないまま、勢いと信念だけで旅が続いていく。
妙にポジティブで折れない主人公
ニコラス・ケイジの役は、とにかく自信満々。
周囲に笑われても、失敗しても、「これは試練だ」と解釈して前に進む。
現実的な判断はかなり弱いけど、行動力だけは異常に高い。
怖さよりワクワクが勝っている感じがずっと続く。
妙に達観した神の存在
ラッセル・ブランドが演じるのは、主人公の前に現れる神的な存在。
導いているようで、放置しているようでもある。
助言はするけど、責任は取らないスタンス。
この存在が、物語全体を少しズラした方向に引っ張っていく。
家族と周囲の「現実的な反応」
主人公の行動を見て、家族や知人は当然心配する。
止めようとしたり、呆れたり、半ば諦めたり。
でも、本人にはほとんど響かない。
この温度差が、コメディ寄りの空気を強めていく。
現地で直面する、想定外だらけの状況
中東に着いてからは、言葉も文化も分からない状態で動くことになる。
計画通りに進むことはほぼなく、トラブルばかり。
それでも主人公は「これは導きの途中」と解釈して進み続ける。
現実と妄信の境目が、どんどん曖昧になっていく。
目的に近づいているのか分からないまま迎える終盤
行動だけは続いているけど、本当に目的に近づいているのかは不明。
周囲の世界はちゃんと動いていて、主人公の知らないところで状況も変わっている。
それでも本人は、自分の物語を生き切ろうとする。
ズレたまま、でも全力で進む姿が最後まで描かれる。
この映画のポイントは、信じる力の危うさと強さ
笑える場面は多いけど、どこか怖さも混ざっている。
信念が人を動かす一方で、現実から切り離してしまう感じ。
正しさより、「信じ切ること」そのものがテーマっぽく見えてくる。
たぶん、観終わったあと評価に困る映画
バカバカしいと思う瞬間と、妙に真面目に感じる瞬間が混ざる。
ヒーローなのか、ただの変わり者なのか、簡単には決められない。
なんだかんだで記憶に残って、後からじわっと考えたくなる一本かも。

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