未来を花束にして

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未来を花束にして
(Suffragette)

作品データ
2015年|イギリス|歴史/ドラマ
監督:サラ・ギャヴロン
出演:キャリー・マリガン、ヘレナ・ボナム=カーター、メリル・ストリープ ほか

声を上げるしかなくなった女性が、日常を賭ける話

20世紀初頭のロンドン。洗濯工場で働くモードは、長時間労働と低賃金の中で、家族を支えるため黙々と暮らしている。政治や運動とは無縁だった彼女は、偶然の出来事から女性参政権を求める運動に触れ、次第に関わるようになる。平和的な訴えが無視され続ける中、運動はより過激な手段へと傾いていき、モード自身も仕事、家庭、子どもとの関係を失う危険に直面する。それでも彼女は、元の生活に戻れない地点まで進んでいく。

目立たず生きてきた主人公と、先に進んでいた人たち

モードは特別な思想家でもリーダーでもなく、ただ生活を守ろうとしてきた人。
同じ職場の女性たちや、すでに運動に身を投じている仲間たちは、彼女より一歩先を歩いている。
科学者として活動するエディスは、理屈と覚悟を持って行動していて、モードに現実を突きつける存在。
それぞれの立場の違いが、運動の中でもはっきり表れてくる。

舞台はロンドン、でも逃げ場はほとんどない

工場、家庭、街路、警察署。
どこにいても、女性の立場は弱く、選択肢は限られている。
街の広さとは裏腹に、個人の居場所はとても狭い感覚が続く。

失うものが、次々と増えていく

運動に関わることで、モードは職を失い、家庭からも距離を置かれる。
正しいことをしている感覚があっても、現実の代償はかなり重い。
周囲からの視線や暴力が、彼女の日常を確実に壊していく。

それでも引き返せなくなる瞬間

仲間が傷つき、犠牲が出る中で、モードは自分が何のためにここにいるのかを考え続ける。
声を上げなければ、何も変わらないという実感が、恐怖よりも前に出てくる。
最終的に彼女が選ぶのは、今すぐの幸せではなく、先の未来に託す行動になる。

この映画のポイントなに?

歴史的な偉業を称えるというより、無名の一人に焦点を当てている。
英雄的な演説より、日常が削られていく過程が丁寧に描かれている。
正義と犠牲が同時に進む重さが、ずっと画面に残っている。

たぶんこんな映画

スカッとする展開はほとんどない。
代わりに、当たり前だと思っている権利が、どれだけの代償の上にあるかが伝わってくる。
静かだけど、見終わったあとに考えが止まらなくなるタイプの作品。

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