※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。
権利への階段
(55 Steps)
作品データ
2017年|アメリカ合衆国|ドラマ
監督:ビレ・アウグスト
出演:ヘレナ・ボナム=カーター、ヒラリー・スワンク ほか
声を奪われてきた女性が、法廷で一歩ずつ進む話
統合失調症を抱えるエレノアは、長年にわたって精神科病院に収容され、自分の意思をほとんど尊重されない生活を送っている。薬の副作用に苦しみながらも、訴えは聞き流され続ける。そんな彼女の前に現れたのが、弁護士のコレット。形式的な支援ではなく、エレノア本人の声を聞こうとする姿勢に触れたことで、二人の関係は少しずつ築かれていく。やがて彼女たちは、患者の自己決定権を巡る法廷闘争へと踏み出していく。
扱いにくいと決めつけられた女性と、粘り強い弁護士
エレノアは感情の起伏が激しく、妄想や不安を抱えながら生きている。
周囲からは「難しい患者」として距離を取られがち。
コレットは完璧な理想家ではなく、戸惑いながらも対話を諦めないタイプ。
二人の信頼関係は、簡単には築かれず、衝突を繰り返しながら進んでいく。
病院と法廷、どちらも閉じた場所
精神科病院は安全の名のもとに管理され、自由はほとんどない。
法廷もまた、形式と手続きに縛られた空間。
どちらも「守るため」と言いながら、当事者の声が後回しにされやすい場所として描かれる。
55の階段が象徴するもの
タイトルにある55段の階段は、エレノアが恐怖を抱えながらも挑戦し続ける対象。
一気に克服するものではなく、止まりながら、戻りながら、少しずつ進む過程が強調される。
権利を勝ち取ることも、同じように時間と忍耐が必要だと重ねられていく。
勝ち負けより、認められること
法廷で争われるのは、治療の是非だけじゃなく、
「本人が選ぶ権利があるのか」という根本的な問い。
結果以上に、エレノアの言葉が正式に扱われること自体が、大きな意味を持っていく。
この映画のポイントなに?
派手な逆転劇はなく、対話と積み重ねが中心。
精神疾患を特別視しすぎず、一人の人として扱う姿勢が軸になっている。
正義がすぐに報われない現実も、かなり正直に描かれている。
たぶんこんな映画
ゆっくり進むけど、その分重みがある。
誰かの代弁ではなく、「本人の声」がどれだけ大事かを考えさせられる。
見終わったあと、権利って何だろうと静かに問いが残りやすい作品。

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