※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。
オリエント急行殺人事件
(Murder on the Orient Express)
作品データ
2017年|アメリカ合衆国|ミステリー・ドラマ
監督:ケネス・ブラナー
出演:ケネス・ブラナー、ペネロペ・クルス、ウィレム・デフォー、ジョニー・デップ ほか
完璧主義の名探偵が、逃げ場ゼロの列車で頭をフル回転させる話
この映画、ざっくり言うと「雪に閉じ込められた豪華列車で、全員が怪しく見えてくる」流れ。世界一有名と言われる探偵が、たまたま乗り合わせた列車で殺人事件に遭遇する。犯人は必ずこの中にいる、という前提が最初から突きつけられて、逃げ道のない推理が始まる。
全体をまとめるとこんな感じ
名探偵ポアロは、オリエント急行に乗り込む。列車には身分も国籍もバラバラな乗客たちが集まっていて、どこかぎこちない空気が漂っている。途中で列車が雪に阻まれ、その最中に一人の乗客が殺される。外部からの侵入は考えにくく、ポアロは乗客全員に事情を聞き始める。証言を集めるほど、話は単純じゃなくなっていく。
探偵は几帳面すぎるほど几帳面
ポアロは、自分の思考と秩序を何より大切にする人物。小さな違和感も見逃さず、全員の言葉や態度を同じ重さで扱う。その冷静さが、感情的になりがちな状況の中で際立っていく。一方で、人の心に踏み込むことへの迷いも、ところどころに見えてくる。
舞台は動かないはずの豪華列車
事件の舞台は、雪原の真ん中で止まった列車。豪華で快適な空間なのに、外へは出られない。個室、食堂、通路と、限られた場所を行き来しながら話が進む。その閉塞感が、疑心暗鬼をどんどん強めていく。
全員に動機がありそうで困る
聞き込みを進めると、被害者と何らかの形で関係があったことが次々に判明する。アリバイはあるようで曖昧、証言は少しずつ食い違う。誰か一人が怪しいというより、全員が少しずつ引っかかる状態が続く。探偵自身も、推理を進めながら違和感を積み上げていく。
最後は真実と向き合う選択
終盤では、すべての証言と証拠が一つの形にまとまっていく。犯人が誰か、という問い以上に、「この真実をどう扱うのか」が重くのしかかる。ポアロは、正しさと感情の間で判断を迫られ、ある結論を選ぶことになる。
この映画のポイントっぽいところ
この作品、単なる謎解きよりも、正義の形をどう考えるかに重心がある。白黒はっきりさせるだけでは終わらず、割り切れない感情が残る構成になっている。豪華な舞台装置の裏で、人間の事情がじわじわ浮かび上がってくる。
たぶんこんな映画
テンポよく推理が進むけど、最後は少し考えさせられる余韻が残る。派手なトリックより、人の選択に目が向きやすい。観終わったあとに、あの判断はどうだったのか、と頭の中で反芻したくなる一本、そんな印象が残りやすいかもしれない。

コメント