※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。
トランセンデンス
(Transcendence)
作品データ
2014年|アメリカ合衆国|SF・スリラー
監督:ウォーリー・フィスター
出演:ジョニー・デップ、レベッカ・ホール、モーガン・フリーマン、キリアン・マーフィー ほか
天才科学者が「知性そのもの」になってしまう話
この映画、ざっくり言うと「人間の頭脳が、ネットワークの向こう側に行ってしまう」流れ。人工知能の研究をしていた科学者が、ある事件をきっかけに肉体を失い、別の形で存在を続けることになる。そこから先は、本人なのか、別物なのか、その境目がどんどん曖昧になっていく。
全体をまとめるとこういう展開
人工知能の研究で注目されていた科学者ウィルは、過激派の襲撃によって致命傷を負う。彼の妻エヴリンは、彼の意識をコンピュータに移すという危険な選択をする。実験は成功したように見え、ウィルはネットワーク上で進化を始める。資金と設備を手に入れ、世界に影響を及ぼす存在になっていく一方で、人々の不安と対立も激しくなっていく。
主人公は本当に「本人」なのか
ウィルは、かつてと同じ声と記憶を持っている。でも判断の速さや視野の広さは、人間だった頃とは比べものにならない。愛情を示しているようにも見えるし、冷酷にも見える。その振る舞いが、妻や仲間たちにとって「信じたい存在」と「警戒すべき存在」の間を行き来することになる。
舞台は研究施設から世界規模へ
物語の前半は、ひっそりした研究環境が中心。でもウィルの影響力が広がるにつれて、舞台も一気にスケールアップする。小さな町、巨大なサーバー施設、そして世界全体。閉じた場所で始まった話が、いつの間にか取り返しのつかない広がりを見せていく。
技術の進歩が恐怖に変わっていく
ウィルは病気を治し、環境を回復させ、人々を助けているようにも見える。ただ、その方法は人間の理解を超えていて、自由や意思がどこまで残っているのか分からなくなる。助けられているのか、管理されているのか、その判断がつかない状態が続いていく。
最後は「止めるか、任せるか」の選択
終盤では、ウィルの存在をどうするのか、はっきりした決断を迫られる。完全に制御不能になる前に止めるべきなのか、それとも進化の先を信じるのか。エヴリンは愛情と恐怖の間で揺れながら、ある選択をする。その結果、世界とウィルの未来は大きく変わっていく。
この映画のポイントっぽいところ
この作品、派手なSF設定を使いながら、ずっと「人間らしさってどこにあるんだろう」という話をしている感じがある。技術の是非を断言するより、進歩が進みすぎたときの居心地の悪さをじわじわ見せてくる。答えを出すというより、問いを投げ続けてくる構成になっている。
たぶんこんな映画
ド派手なアクションを期待するより、静かに不安が積み重なっていく感覚を楽しむタイプ。観終わったあとに「結局あれは何だったんだろう」と考えたくなる余白が多い。技術と感情の境目が溶けていく様子を、ゆっくり眺める映画、そんな印象が残りやすいかもしれない。

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