※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。
ハムレット
(Hamlet)
作品データ
1990年|アメリカ合衆国・イギリス・フランス|ドラマ
監督:フランコ・ゼフィレッリ
出演:メル・ギブソン、グレン・クローズ、アラン・ベイツ ほか
考えすぎ王子が、復讐と迷いで立ち止まり続ける話
舞台はデンマーク王国。王子ハムレットは、父王の急死と、母ガートルードの早すぎる再婚に違和感を抱いている。やがて父の亡霊が現れ、王を殺したのは叔父クローディアスだと告げられる。復讐を誓うものの、ハムレットはすぐに行動へは移れず、疑い、試し、考え続ける。芝居を使って真実を確かめ、周囲との関係は壊れていき、恋人オフィーリアも追い詰められていく。迷いの連鎖はやがて取り返しのつかない悲劇へと流れ込んでいく。
理屈っぽくて感情が激しい王子と、その周囲
ハムレットは頭の回転が速く、感情も強いけど、行動に移すまでがとにかく長い。
母ガートルードは、王妃として現実的な選択をしているように見えつつ、息子の苦しみに気づききれない。
クローディアスは穏やかな顔の裏に焦りと罪悪感を抱えていて、常に不安定。
オフィーリアは板挟みにされ、誰にも本音を預けられない立場に追い込まれていく。
城の中、逃げ場のない空気
物語の大半は城の内部で進む。
石造りの重たい空間が続いていて、外に出ても気分は晴れない。
誰かに見られている感覚が常につきまとい、会話の一言一言に裏があるような空気が漂っている。
確信できないまま、試し続ける
父の言葉を信じ切れないハムレットは、芝居を上演してクローディアスの反応を見るという回りくどい方法を選ぶ。
真実に近づいているのに、決定的な一歩が踏み出せない時間が続く。
その優柔不断さが、周囲の人間関係を少しずつ壊していく。
気づいた時には、引き返せない
偶然の殺し、誤解、復讐の連鎖が重なり、状況は一気に悪化する。
オフィーリアの心は耐えきれなくなり、彼女自身も物語からこぼれ落ちていく。
最後は決闘という形で、溜まり続けた感情が一気に噴き出す流れになる。
この映画のポイントなに?
シェイクスピア原作だけど、映像はかなり分かりやすく整理されている印象。
台詞の重さよりも、表情や動きで感情を追いやすい作り。
ハムレットの「考えすぎ」が、ちゃんと人間臭く見えるのが特徴。
たぶんこんな映画
頭の中でずっと会議が開かれている人の話を、外側から覗く感覚に近い。
派手な復讐劇というより、迷い続けた末の行き着く先を見守る時間が長い。
観終わると、考えすぎること自体について、ちょっと引っかかりが残りやすい作品。

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