※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。
ワールド・トレード・センター
(World Trade Center)
作品データ
2006年|アメリカ|ドラマ
監督:オリバー・ストーン
出演:ニコラス・ケイジ、マイケル・ペーニャ、マリア・ベロ、マギー・ジレンホール ほか
現場に向かったら世界が崩れてしまった警察官たちの話
ごく普通の勤務日のはずだった朝に、救助に向かった警察官たちが、想像もしていなかった状況のど真ん中に取り残される話になっている。
救助に行ったはずが救助される側になる
2001年9月11日、ニューヨークで異変が起き、警察官のジョンとウィルはワールド・トレード・センターへ向かう。中に入った直後、建物は崩壊し、2人は瓦礫の下敷きになって身動きが取れなくなる。外では救助活動が続き、内側では助けを待つ時間がひたすら流れていく、という構造で話が進んでいく。
現場に向かった普通の警察官たち
ジョンもウィルも、特別な英雄として描かれるより、「その日たまたまそこにいた人」という距離感が強い。家族のことを思い出したり、不安を押し殺したりしながら、瓦礫の下で必死に意識を保ち続けている。極限状態なのに、考えていることはとても個人的で身近なものが多い。
崩壊したビルの中という閉じた空間
物語の多くは、暗くて狭い瓦礫の中で進む。時間の感覚も曖昧で、昼か夜かも分からない状態が続く。外の世界では大勢の人が動いているけれど、内部ではほとんど何も変わらない、という対比がずっと続いている。
待つしかない時間と外の必死な捜索
瓦礫の外では、警察や消防、ボランティアたちが生存者を探し続けている。一方で、家族たちは情報を求めて不安な時間を過ごしている。内と外、それぞれの場所で「できることをやるしかない」状況が同時に描かれていく。
声が届くまでの長い終盤
長い時間の末、わずかな手がかりから2人の存在が知られ、救助が始まる。助け出される過程も劇的というより、現実的で慎重な作業の積み重ねとして描かれる。全てが終わったあとも、出来事そのものが簡単に消えるわけではない、という余韻を残して話は閉じる。
この映画のポイントは視点の限定
大きな出来事を全体で描くより、極端に視点を絞って「その場にいた人」に寄っている。歴史的事件を説明するというより、その中にいた一人一人の時間を追っていく形になっている。
たぶんこんな映画
パニック映画っぽさを想像すると少し違っていて、静かで重たい時間が続く印象が近いかもしれない。何かを理解するというより、その場に一緒に閉じ込められて、ただ待つ感覚を共有するような一本、そんな雰囲気が残る。

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