※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。
チリ33人 希望の軌跡
(原題:The 33)
作品データ
2015年|チリ・アメリカ|ドラマ
監督:パトリシア・リゲン
出演:アントニオ・バンデラス、ロドリゴ・サントロ、ジュリエット・ビノシュ ほか
地下700メートルに閉じ込められて、33人で生き抜く話
これは、普通に働いていた鉱山労働者たちが、ある日突然とんでもない状況に放り込まれるところから始まる。仕事が終わるはずだった一日が、帰れない一日に変わってしまって、そこから先は「どうやって生き延びるか」だけがすべてになっていく。
ざっくり全体要約
チリの鉱山で崩落事故が起き、33人の作業員が地下深くに閉じ込められる。外との連絡は完全に断たれ、食料も時間も限られていく中で、彼らはリーダーを中心にルールを決め、少しずつ生活を立て直していく。一方、地上では家族や政府、救助隊が必死に掘削を続ける。長い沈黙のあと、彼らが生きていることが確認され、救出作戦が本格化していく。
それぞれ事情を抱えた33人
地下にいるのは、ただの「作業員」という括りでは収まらない人たち。家族を支える人もいれば、問題を抱えたまま働いていた人もいる。マリオを中心に、衝突しながらも役割を分担していく様子が描かれていく。誰かが弱れば誰かが支える、そんな関係が少しずつ形になっていく。
暗闇の地下と、必死な地上
物語は地下と地上を行き来する。地下では時間感覚が失われ、精神的にも追い込まれていく。一方の地上では、家族たちが不安と希望の間で揺れながら待ち続ける。掘削が失敗するたびに空気が重くなっていく感じが、じわじわ伝わってくる。
食料、秩序、心の限界
食べ物をどう分けるか、勝手な行動をどう止めるか、絶望感をどうやり過ごすか。派手な事件が起こるというより、日常の小さな選択が生死に直結していく。閉鎖空間での不安や苛立ちが積み重なって、何度もギリギリの場面が訪れる。
長い時間の先に訪れる救出
救出が現実味を帯びてくると、今度は「外に出る怖さ」も浮かび上がってくる。地下で築かれた関係や役割が終わることへの戸惑いもあって、単純に喜び一色にはならない。それでも、一人ずつカプセルで地上に戻ってくる場面は、積み重ねてきた時間の重さを感じさせる。
この映画のポイントなに?
極限状態のサバイバルだけじゃなく、人が集団で生きるときのバランスや脆さが描かれているところ。誰か一人の英雄ではなく、全員の選択と我慢が積み重なっていく流れが中心になっている。
たぶんこんな映画
派手な演出で盛り上げるというより、静かに耐える時間が長く続くタイプ。観ていると、数字だった「33人」が、一人ひとりの顔を持った存在として残っていく。実際にあった出来事をもとに、長い時間と希望の重さをそのまま映した一本、そんな感触が残る。

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