※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。
ヘッド・フル・オブ・ハニー
(Head Full of Honey)
作品データ
2018年|アメリカ合衆国|ドラマ
監督:ティル・シュヴァイガー
出演:ニック・ノルティ、マット・ディロン、エミリー・モーティマー、ソフィア・レイン・ノルティ ほか
記憶が少しずつこぼれていく祖父と、孫が旅に出る話
年を重ねた祖父は、少しずつ物忘れが増えて、家族との生活もうまくいかなくなっていく。周囲は現実的な対応を考え始めるけど、孫だけは「今のうちにやりたいことをやろう」と考えて、祖父を連れ出す。目的地は、祖父の記憶の奥に残っている場所。ふたりの旅は、家族が目を背けてきた問題を、ゆっくり表に引きずり出していく。
優しいけど不安定な祖父と、まっすぐな孫
祖父は昔の話になると生き生きするけど、今の状況はうまく理解できていない瞬間がある。怒ったり、拗ねたり、急に無邪気になったりと感情の揺れ幅が大きい。一方の孫は、大人たちよりも状況を素直に受け止めていて、「一緒にいる時間」を何より大事にしようとする。
家族にとっての現実と、旅の時間
家族側は、安全や将来を考えて行動してるつもりなんだけど、その分、祖父の気持ちは置き去りになりがち。旅に出たことで、日常から切り離された時間が生まれて、祖父と孫は、今この瞬間に集中できるようになる。場所が変わるたびに、祖父の表情も少しずつ変わっていく。
思い出と混乱が入り混じる道中
旅の途中では、うまくいくことばかりじゃなくて、トラブルや勘違いも起こる。祖父は過去と現在を行き来するような感覚になって、孫はそのたびに対応を迫られる。でも、その混乱の中で、家族としての距離は逆に縮まっていく。
最後に残るのは、完璧じゃない時間
物語の終盤、すべてがきれいに解決するわけじゃない。記憶が戻るわけでも、問題が消えるわけでもない。ただ、一緒に過ごした時間が確かに残っていて、それが家族全員の受け止め方を少し変える。別れを意識しながらも、温度のある締めくくりになっていく。
この映画のポイントなに?
重くなりがちなテーマを、旅という形でやわらかく描いてるところ。泣かせにいく場面もあるけど、笑える瞬間や、気まずい沈黙もちゃんと混ざってる。理想論だけじゃなく、現実の不完全さもそのまま残してる印象。
たぶんこんな映画
感動を押しつけるというより、静かに寄り添ってくるタイプ。観ているうちに、自分の家族の顔がふっと浮かぶかもしれない。観終わったあと、すぐ何かが変わるわけじゃないけど、見方が少しだけ変わる、そんな余韻が残る一本かも。

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