フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊

※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。




Amazon.co.jp: フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊 ブルーレイ+DVDセット [Blu-ray] : ベニチオ・デル・トロ, エイドリアン・ブロディ, ティルダ・スウィントン, レア・セドゥ, フランシス・マクドーマンド, ウェス・アンダーソン: DVD
Amazon.co.jp: フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊 ブルーレイ+DVDセット : ベニチオ・デル・トロ, エイドリアン・ブロディ, ティルダ・スウィントン, レア・セドゥ, フランシス・マクドーマンド, ウェス・アンダーソン: DVD



フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊
(The French Dispatch of the Liberty, Kansas Evening Sun)

作品データ
2021年|アメリカ|コメディ・ドラマ
監督:ウェス・アンダーソン
出演:ベニチオ・デル・トロ、エイドリアン・ブロディ、フランシス・マクドーマンド、ティルダ・スウィントン、ティモシー・シャラメ、クリストフ・ヴァルツ ほか

雑誌一冊分の人生と出来事が詰め込まれる話

アメリカの地方紙が発行するフランス支局の雑誌「フレンチ・ディスパッチ」。その編集長の死をきっかけに、最後の別冊号が作られることになる。誌面を構成するのは、個性的な記者たちが書いたいくつかの記事。それぞれが、芸術、政治運動、犯罪、食文化といったテーマを扱い、独立した短編のように展開していく。雑誌を読む感覚で、さまざまな人生の断片が次々に立ち上がってくる。

記者も取材対象も、全員キャラが濃い

登場するのは、癖の強い記者たちと、その取材対象になる人々。芸術に取り憑かれた画家、革命に憧れる若者、理屈っぽい知識人、淡々と語る観察者など、全員が自分の世界を持っている。誰か一人が主人公というより、語る人と語られる人が入れ替わり続ける感じがある。

舞台はフランスだけど、どこか作り物

物語の舞台はフランスの架空都市アンニュイ。街並みは細部まで作り込まれていて、現実というより雑誌の挿絵みたいな雰囲気。色彩や構図がきっちり整えられていて、場面が変わるたびに紙面をめくっている感覚になる。

記事ごとに、まったく違う温度

収録されているエピソードは、それぞれトーンが違う。シリアスに見えたり、急に可笑しくなったり、淡々と語られたりする。話の中心も、事件そのものより「どう語られるか」に重きが置かれている感じ。記者の主観がそのまま物語の形になっていく。

編集長という、姿は少ないけど中心にいる人

物語全体をゆるくつないでいるのが編集長の存在。彼は多くを語らないが、記者たちの文章や姿勢には、その影響が色濃く残っている。自由に書くこと、現場に立つこと、その姿勢が誌面全体の空気を決めているように見えてくる。

別冊号が完成するまで

物語の終盤では、雑誌をどう締めくくるのかが意識され始める。記事は独立しているのに、並べてみると一冊としてのまとまりが見えてくる。人の人生も文章も、切り取られ方次第で意味が変わる、そんな感覚が残る流れになっている。

この映画のポイントっぽいところ

映像、構図、字幕、章立てなど、雑誌を映画にしたような形式が最大の特徴。ウェス・アンダーソンらしい美術とテンポが全編に詰まっている。ストーリーを追うというより、語り口や世界観を楽しむ時間が長め。

たぶんこんな映画

一本の物語というより、短編を詰め合わせたアートブックみたいな作品。全部を理解しようとしなくても、引っかかった場面だけ持ち帰れる感じがある。観終わったあと、架空の雑誌を実際に読んだ気分になるタイプっぽい。

コメント