チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛

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17世紀オランダ、希少な品種の球根1個が邸宅1軒分に相当し、世界最古の経済バブルとして知られる「チューリップバブル」がピークを迎えていた。年の離れた、裕福なコルネリスと結婚した修道院で育ったソフィア。夫が夫婦の肖像画を、無名の画家のヤンに依頼する。キャンバス越しに見つめ合うヤンとソフィアが、恋におちる。許されない愛を貫...



チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛
(Tulip Fever)

作品データ
2017年|アメリカ・イギリス|ロマンス・ドラマ
監督:ジャスティン・チャドウィック
出演:アリシア・ヴィキャンデル、デイン・デハーン、ザック・ガリフィアナキス、ジュディ・デンチ、クリストフ・ヴァルツ ほか

結婚生活のすき間から恋と欲が転がり出す話

17世紀のアムステルダム。若い女性ソフィアは、年の離れた裕福な商人コルネリスと結婚し、安定した暮らしを送っている。ある日、夫婦の肖像画を描くために若い画家ヤンが家に出入りするようになり、ソフィアとヤンは次第に惹かれ合っていく。同じ頃、街ではチューリップ投機が熱を帯び、人々は一攫千金の夢に浮かされていく。恋と金と嘘が絡み合い、静かだった日常は少しずつ形を変えていく。

ソフィア、守られた生活の中で揺れる人

ソフィアは物静かで、与えられた役割をきちんと果たそうとしている女性。夫との暮らしは穏やかだけど、心の距離はどこか埋まらない。その空白に入り込んできたのがヤンで、絵を描かれる時間を通して、抑えていた感情が表に出てくる。迷いながらも、自分の気持ちをごまかしきれなくなっていく。

舞台は熱に浮かされたアムステルダム

物語の背景には、チューリップ・バブルに沸く街の空気がある。花の球根が莫大な価値を持ち、人々は理性より期待で動いている。静かな家庭の中と、街全体の熱狂が対照的で、その落差が登場人物たちの判断を揺らしていく。

秘密の関係と、危うい計画

ソフィアとヤンの関係は、人目を忍ぶ形で進んでいく。一方で、ソフィアの侍女マリアもまた、別の事情を抱えて行動している。そこにチューリップ投機の話が絡み、嘘を重ねた計画が動き出す。誰かを守るつもりの選択が、別の誰かを追い込んでいく流れになる。

コルネリスという、善意と孤独の人

コルネリスは厳格そうに見えるが、家族を持つことに強い思いを抱えている人物。ソフィアを大切にしようとする姿勢は一貫していて、その誠実さが逆に状況を複雑にしていく。彼の存在が、物語全体に静かな重さを加えている。

嘘がほどけていく終盤

計画が進むにつれて、隠していた事実が少しずつ表に出てくる。恋、金、立場、それぞれの選択が交差し、取り返しのつかない局面に近づいていく。誰かの願いが叶うほど、別の誰かが何かを失っていく感覚が強まっていく。

この映画のポイントっぽいところ

恋愛ドラマでありながら、経済の熱狂が物語を大きく動かしている点が特徴的。感情と欲望が同時に膨らみ、判断を誤らせていく様子が丁寧に重ねられている。絵画や衣装、美術の雰囲気も、登場人物の心情とリンクしてくる。

たぶんこんな映画

情熱的な恋の話としても、欲に翻弄される人間の話としても見えてくる一本。派手な展開より、選択の積み重ねがじわじわ効いてくる。観終わったあと、愛と安心のどちらを選ぶのか、少し考えたくなるタイプっぽい。

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