※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。

バスキア
(Basquiat)
作品データ
1996年|アメリカ|伝記・ドラマ
監督:ジュリアン・シュナーベル
出演:ジェフリー・ライト、クレア・フォーラニ、デヴィッド・ボウイ ほか
落書きみたいな絵でスターになって、孤独に飲み込まれていく話
1970年代末のニューヨーク。路上で描いていた青年が、アートの世界に見つかり、金と名声を一気に手に入れる。でも成功するほど、周囲の人間関係は変質していく。利用され、利用し、信じられる相手が減っていく中で、創作と孤独とドラッグが絡み合い、27歳で燃え尽きるまでが描かれる。
物語の主要人物
・ジャン=ミシェル・バスキア(ジェフリー・ライト)
路上から注目を集めていく若きアーティスト
・ジーナ・カルディナーレ(クレア・フォーラニ)
ウェイトレスで画家志望、バスキアと親しくなる女性
・ベニー・ダルモー(ベニチオ・デル・トロ)
バスキアのバンド仲間
・ルネ・リカード(マイケル・ウィンコット)
バスキアを世に押し出す美術評論家
・アンディ・ウォーホル(デヴィッド・ボウイ)
バスキアと深く関わるポップアートの巨匠
路上とホームレス生活から始まるニューヨーク
1979年のニューヨーク。黒人青年バスキアは「SAMO」と名乗り、グラフィティのような絵を描きながら、バンド活動もしつつ街をうろついている。ドラッグに溺れ、住む場所も安定しない生活だが、彼には中流の家庭で育った過去があり、母親から絵への関心を植え付けられていた。
見つかる才能と、アート界への入口
ウェイトレスで画家志望のジーナと知り合い、彼女の部屋に転がり込んだバスキアは、画廊で電気工事のアルバイトをする。そこで人気アーティストのマイロを見かけ、虚勢を張る若いバスキア。さらに、アンディ・ウォーホルに自作のポストカードを売りつけるなど、チャンスを掴もうと必死に動き続ける。
評価と成功が一気に押し寄せる
美術評論家ルネ・リカードに見出されたバスキアは、グループ展で作品を売り、画廊主アニーナ・ノセイからアトリエを提供される。次々と大作を描き、金と名声を手に入れる一方で、ジーナやバンド仲間のベニーとは距離ができていく。成功のスピードに、人間関係が追いつかなくなっていく。
孤独と依存、そして終わり
アンディ・ウォーホルと親しくなり、唯一の理解者のように感じていたバスキアだったが、その関係もマスコミに揶揄される。やがてウォーホルが急死し、バスキアのドラッグ使用は加速する。名声の中で孤立したまま、1988年、バスキアはヘロインの過剰摂取で亡くなる。27歳だった。
この映画のポイント
・1970〜80年代ニューヨークのアートシーン
・成功と引き換えに失われていく人間関係
・グラフィティから評価されるまでの流れ
・実在のアーティストたちが交差する世界
たぶんこんな映画
アーティストの才能がどう評価され、どう消費されていくのかを、かなり生々しく見せてくる。華やかなパーティーの裏で、孤独だけが濃くなっていく感じがずっと続く。伝記というより、成功のスピードに心が置いていかれる感覚を追体験する一本。

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