※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。

魔界世紀ハリウッド
(原題:Witch Hunt)
作品データ
1994年|アメリカ|SF・ホラー/ハードボイルド
監督:ポール・シュレイダー
出演:デニス・ホッパー、ペネロープ・アン・ミラー ほか
魔法が当たり前のハリウッドで、魔法を使わない探偵が厄介ごとに巻き込まれる話
1950年代のアメリカ。魔法と科学が普通に並び立つ世界で、私立探偵ラブクラフトは「魔法を使わない」まま生きている。女優から頼まれた素行調査をきっかけに、ハリウッドで起きた不可解な死と、どう考えても胡散臭い陰謀に首を突っ込むことになる。赤狩りと魔女狩りがごちゃ混ぜになった時代で、探偵一人が嫌な真実に近づいていく。
登場人物
・H・P・ラブクラフト
魔法が使える世界で、あえて使わない私立探偵。皮肉屋でハードボイルド。
・キム・ハドソン
ラブクラフトに調査を依頼する女優。事件の入口に立つ人物。
・フィン・マチャ
裏で糸を引いていそうな存在。話が進むほどに影が濃くなる。
・ラーソン・クロケット上院議員
赤狩りの象徴みたいな政治家。魔法と権力を結びつける側の人間。
・ブラッドベリー警部
警察側の人間。完全に味方とも言い切れない立ち位置。
魔法と赤狩りが同居する1950年代ハリウッド
舞台は魔法が日常に溶け込んだ1950年代のアメリカ。テレビや車と同じ感覚で呪文が飛び交う一方で、赤狩りの空気が社会を覆っている。ラブクラフトはそんな時代に、女優キムからの素行調査を引き受ける。軽い仕事のはずが、調査対象が謎の死を遂げたことで、一気に雲行きが怪しくなる。
調べるほどに広がる陰謀と、きな臭い人間関係
事件を追ううちに、ハリウッドの裏側、政治、魔法の扱われ方が絡み合っていることが見えてくる。誰もが魔法を使える世界だからこそ、力を持つ側と持たない側の溝もくっきりしている。ラブクラフトは魔法に頼らず、足と勘と皮肉だけで真相に近づいていくけど、関わる人物はどれも一筋縄じゃいかない。
真実に辿り着いた先で、何が残るのか
陰謀の輪郭がはっきりするにつれて、この世界そのものが抱えている歪みが浮かび上がる。赤狩り、魔女狩り、権力闘争。事件は解決に向かうけど、後味は決して軽くない。ラブクラフトは探偵として役目を果たすものの、世界が少し良くなった感じはあまりしないまま、物語は幕を閉じる。
この映画のポイント
・魔法が当たり前な世界観とハードボイルドの組み合わせ
・1950年代アメリカと赤狩りの空気感
・魔法を使わない主人公という逆張り設定
・テレビ映画らしいコンパクトだけど濃い構成
たぶんこんな映画
魔法ド派手、爽快アクション、みたいなのを期待すると肩透かしになるけど、じめっとした探偵ものとして見ると味が出るタイプ。世界観の設定を眺めながら、皮肉な台詞と嫌な真実を少しずつ噛みしめる感じ。派手さよりも、空気と設定を楽しむ時間が長めの一本。

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