※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。
ボビー
(原題:Bobby)
作品データ
2006年|アメリカ|群像劇・ドラマ
監督:エミリオ・エステベス
ひとつの夜に集まった人たちの人生が、歴史の瞬間と交差する話
1968年6月5日、アンバサダーホテル。
ロバート・ケネディを迎える祝勝会の準備が進む中、ホテルで働く人、泊まる人、立ち寄る人、それぞれの日常が描かれていく。
恋や不満、希望や不安を抱えたまま迎えた夜は、やがて誰も予想しなかった出来事によって、全員の人生の記憶として刻まれる。
登場人物
・ジョン
長年ホテルでドアマンを務め、引退後もロビーで友人と過ごす老人。
・ネルソン
ジョンの友人。ロビーでチェスを指しながら、時代の移り変わりを眺めている。
・エドワード
厨房で働くアフリカ系のシェフ。仲間たちと共に差別への不満を抱えつつ仕事を続ける。
・ホセ、ミゲル
厨房で働くメキシコ人スタッフ。厳しい環境の中でも真面目に働いている。
・ティモンズ
料飲部のマネージャー。差別的な態度が原因で解雇される。
・エヴァース
ホテルの支配人。不倫関係と職場での立場に揺れている。
・ミリアム
エヴァースの妻。ホテル内の美容院で美容師として働く。
・ダイアン
その夜に結婚式を挙げる予定の若い女性。結婚には切実な事情がある。
・ウィリアム
ダイアンの結婚相手。徴兵を避けるための結婚を選ぶ。
・ヴァージニア
ホテルのショーに出演する歌手。人気の陰りと酒に悩んでいる。
・ティム
ヴァージニアの夫でマネージャー。彼女を支えようと奮闘する。
・スーザン
女優志望のウェイトレス。コーヒーショップで働いている。
・ジミー、クーパー
大学生。選挙運動に参加しつつも、どこか浮ついた時間を過ごしている。
・ジャック、サマンサ
裕福な熟年夫婦。外からは見えない問題を抱えている。
・ウェイド
選挙運動を取り仕切るスタッフ。祝勝会の準備に追われている。
・ドウェイン
アフリカ系の選挙スタッフ。祝勝会で思わぬ注目を浴びる。
・レンカ・ヤナチェック
国外から来た女性記者。強引にでも取材しようとする行動力の人。
ホテルの中で、それぞれの一日が進んでいく
アンバサダーホテルでは、祝勝会の準備と同時に、さまざまな人の一日が流れている。
厨房では人種差別への不満を抱えながらも働く人たちがいて、ロビーでは引退した老人たちが静かに時間を過ごす。
美容院では結婚を控えた若い女性が不安を抱え、客室では歌手とマネージャーの夫婦が将来について言い争う。
誰もがそれぞれの事情を抱えたまま、その夜を迎えようとしている。
祝勝会が始まり、希望が会場を満たす
夜になり、祝勝会が始まる。
会場は高揚感に包まれ、人々はケネディの言葉に耳を傾ける。
冗談めかした紹介をきっかけに、恋の予感が芽生える人もいれば、未来への期待を強める人もいる。
その場に集まった全員が、何かしらの希望を感じている時間が続く。
厨房で起きた出来事が、すべてを変える
演説が終わり、ケネディは近道として厨房を通る。
そこで銃声が響き、祝勝ムードは一瞬で崩れ去る。
その場に居合わせた人々も流れ弾に当たり、大きな傷を負う。
彼らは助かるが、ケネディは翌朝病院で息を引き取る。
それぞれの人生にとって、この夜は忘れられない境目になる。
この映画のポイントなに?
・歴史的な出来事を、名もなき人々の視点で描いている
・ひとつの場所に集まった多様な人生の断片
・希望と不安が同時に存在する空気感
・実在の映像と物語が重なり合う構成
たぶんこんな映画
派手な展開よりも、人の会話や表情が積み重なっていく感じ。
歴史の教科書に載る出来事の裏で、普通の人たちが何を考え、何を失ったのかを静かに見せてくる。
観終わったあと、あの夜にいた誰かの人生をふと思い返してしまう、そんな余韻が残る一本。

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