※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。
ハサミを持って突っ走る
(Running with Scissors)
作品データ
2006年|アメリカ|ドラマ
監督:ライアン・マーフィー
出演:ジョセフ・クロス、アネット・ベニング、ブライアン・コックス ほか
振り回され続けた少年が「自分の居場所」を探す話
両親の別居をきっかけに、精神科医の家に預けられた少年オーガステン。
そこは常識もルールもほぼ存在しない、かなり特殊な家庭だった。
自由すぎる環境の中で成長しながら、彼は「家族って何なんだろう」という問いにぶつかり続ける。
物語の主要人物
・オーガステン・バロウズ(ジョセフ・クロス)
両親の別居後、精神科医フィンチ一家に預けられる少年
・ディアドレ・バローズ(アネット・ベニング)
オーガステンの母。精神的に不安定な詩人
・ノーマン・バローズ(アレック・ボールドウィン)
オーガステンの父。アルコール依存症
・フィンチ博士(ブライアン・コックス)
ディアドレの主治医。オーガステンを自分の家で引き取る
・ナタリー・フィンチ(エヴァン・レイチェル・ウッド)
フィンチ家の末娘。オーガステンより少し年上
精神科医の家に預けられるところから始まる
舞台はマサチューセッツ州ノーサンプトン。
オーガステンは両親の別居により、母の主治医であるフィンチ博士の家に引き取られる。
そこは荒れたビクトリア調の家で、医師の家族、養子、元患者までが一緒に暮らしている場所だった。
しかも明確なルールはなく、子供たちは年齢に関係なく好き勝手に振る舞っている。
常識が通じない生活と、歪んだ成長
フィンチ博士の考えは「13歳になったら自分の人生は自分で管理する」。
その方針のもと、喫煙やドラッグ、性に関することも特に制限されない。
オーガステンは戸惑いながらも、この奇妙な家庭に適応しようとする。
一方で、母ディアドレは相変わらず不安定で、恋愛や感情に振り回され続けている。
離れて初めて向き合う「家族」という答え
やがてオーガステンはフィンチ家を離れ、ナタリーと生活するようになる。
過酷だったはずのフィンチ家や母親のことを、それでも「家族」だと思い続けている自分に気づく。
フィンチ家の一員だったのか、母親の息子だったのか。
その問いに対して、彼は「どちらでもない」という結論に辿り着く。
この映画のポイント
・自伝的エピソードをそのまま描いた構成
・常識と非常識の境界が曖昧な家庭描写
・親の不安定さが子供に与える影響
・少年の視点で進む静かな成長物語
・笑えないのに淡々と進む日常の積み重ね
たぶんこんな映画
派手な展開より、居心地の悪さがずっと続く感じ。
「変わってる家庭だな」で終わらせられない空気があって、後からじわっと残る。
明るくも暗くもなりきらないまま、ひとりの人生の通過点を見届ける映画。

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