※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。
アメリカン・ビューティー
(American Beauty)
作品データ
1999年|アメリカ合衆国|ドラマ
監督:サム・メンデス
出演:ケヴィン・スペイシー、アネット・ベニング、ソーラ・バーチ、ウェス・ベントリー、ミーナ・スヴァーリ ほか
何もかも順調そうな中年男が全部ぶち壊していく話
郊外の一軒家、仕事、家族。表面上は整っている生活の中で、中年の男が突然「本当の自分」に目覚めてしまう。そこから家族も隣人も含めて、きれいに保たれていた日常が音を立てて崩れていく。
物語の主要人物
・レスター・バーナム(ケヴィン・スペイシー)
広告代理店勤務の42歳。中年の危機を抱える父親。
・キャロライン・バーナム(アネット・ベニング)
レスターの妻。不動産業で成功することに執着している。
・ジェーン・バーナム(ソーラ・バーチ)
レスターの娘。思春期まっただ中で父親を毛嫌いしている。
・リッキー・フィッツ(ウェス・ベントリー)
隣に住む青年。独特の感性を持つ。
・アンジェラ・ヘイズ(ミーナ・スヴァーリ)
ジェーンの親友。レスターが恋してしまう相手。
平凡すぎる毎日にうんざりしていた
レスター・バーナムは、郊外で家族と暮らし、広告代理店に勤める普通の中年男性。
だが妻は仕事と成功に夢中で、娘からは煙たがられ、自分自身も完全にやる気を失っている。
何も問題がないように見える生活の中で、レスターは強い閉塞感を抱えていた。
チアリーディングが引き金になる
ある日、娘のチアリーディングを見に行ったレスターは、娘の親友アンジェラに心を奪われる。
その瞬間から、彼の中で何かが切り替わる。
仕事を投げ出し、筋トレを始め、車を買い替え、これまで我慢してきたことを次々と壊していく。
同時に、家族それぞれが抱えていた本音や歪みも表に出始める。
崩れていく均衡と露わになる真実
妻キャロラインの焦り、娘ジェーンの孤独、隣人リッキーの異常な家庭環境。
レスターの行動は、周囲の人間関係を次々と刺激し、静かだった郊外の空気を変えていく。
そして物語は、誰も予想していなかった形で一気に収束していく。
この映画のポイント
郊外の理想的な家庭像を、皮肉たっぷりにひっくり返す構成。
シリアスな題材なのに、ところどころ笑ってしまう場面が挟まれる。
登場人物全員が「ちゃんとして見せよう」としているのが逆に痛々しい。
アカデミー作品賞を受賞しているのも納得の完成度。
たぶんこんな映画
観ているうちに、笑っていいのか考えてしまう瞬間が多い。
派手な事件より、感情のズレがじわじわ効いてくる。
見終わったあと、自分の日常もちょっと疑って見たくなる一本。

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