※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。
天国の門
(原題:Heaven’s Gate)
作品データ
1980年|アメリカ|西部劇・歴史ドラマ
監督:マイケル・チミノ
出演:クリス・クリストファーソン、ジョン・ハート、イザベル・ユペール ほか
理想を信じた男たちが、歴史の歯車に押し潰されていく話
大学時代の友情から始まった物語は、20年後、移民排斥という巨大な流れの中で悲劇へ転がっていく。正義を守ろうとする保安官、追い詰められる移民たち、暴力で片をつけようとする支配者側。その全部が絡み合い、誰も幸せにならない結末へ進んでいく。
物語の主要人物
・ジェームズ・エイブリル(クリス・クリストファーソン)
かつてハーバードで学び、のちに保安官となった男
・ビリー・アーヴァイン(ジョン・ハート)
エイブリルの親友。移民側に立って行動する
・エラ・ワトソン(イザベル・ユペール)
フランス系移民の女性。エイブリルの恋人
・ネイサン・D・チャンピオン(クリストファー・ウォーケン)
牧場主に雇われたガンマンで、エラを愛している
・フランク・カントン(サム・ウォーターストン)
大規模牧場主側の中心人物
大学の友情から始まる、20年越しの再会
1870年、ハーバード大学で学んでいたエイブリルとアーヴァインは親友だった。20年後、保安官となったエイブリルはワイオミングで、移民牧場主となっていたアーヴァインと再会する。時代も立場も変わった2人だが、友情だけは残っていた。
移民排斥という名の、皆殺し計画
ワイオミングでは、大規模牧場主たちが「牛泥棒根絶」を理由に、ロシア・東欧系移民を排除しようとしていた。実態は、移民農民をまとめて殺す計画だった。これを知ったアーヴァインはエイブリルに相談し、エラやネートを中心に事態は動き出す。
暴力が連鎖し、誰も止められなくなる
計画は次第に暴走し、傭兵と移民の衝突は避けられなくなる。銃声が響き、命が失われ、状況は取り返しのつかないところまで進んでいく。理想や正義を掲げていたはずの人々は、ただ歴史の流れに飲み込まれていく。
この映画のポイント
・19世紀アメリカの移民問題を描いた物語
・友情と理想が時代によって引き裂かれる構図
・圧倒的なスケールの映像と美術
・実在の事件をモチーフにした重たいテーマ
たぶんこんな映画
広大な景色と静かな時間の中で、少しずつ不穏さが積み重なっていく。派手な爽快感より、終わったあとにずしっと残る余韻が強い。長い物語をじっくり眺める感覚に近い一本。

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