※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。
ハウス・オブ・グッチ
(House of Gucci)
作品データ
2021年|アメリカ合衆国|伝記・クライム
監督:リドリー・スコット
出演:レディー・ガガ, アダム・ドライバー, ジャレッド・レト, ジェレミー・アイアンズ, サルマ・ハエック, アル・パチーノ
恋が始まりで、家族と金が全部を壊していく話
運送屋の娘パトリツィアが、名門グッチ家の青年マウリツィオと出会って結婚し、
いつの間にか“夫婦の夢”が“一族の権力争い”にすり替わっていく。
愛の話っぽい入口なのに、進むほど欲と裏切りの話になるやつ。
物語の主要人物
・パトリツィア・レッジャーニ(レディー・ガガ)
強い野心を持つ女性。グッチ家に入り込み、流れを動かしていく。
・マウリツィオ・グッチ(アダム・ドライバー)
グッチ家の一員。最初は経営に関わる気が薄いが、状況に飲まれていく。
・アルド・グッチ(アル・パチーノ)
一族の中心人物。グッチを世界的ブランドにした存在。
・パオロ・グッチ(ジャレッド・レト)
奇抜な発想を持つ一族の“はみ出し者”ポジション。
・ロドルフォ・グッチ(ジェレミー・アイアンズ)
マウリツィオの父。息子の結婚や一族の面子に厳しい。
・ピーナ(サルマ・ハエック)
パトリツィアの相談相手となる占い師。
出会いは華やか、でも入口から家の空気が濃い
マウリツィオはグッチ家の一族だけど、当初は経営より法律の道に進もうとしている。
そこに現れたのがパトリツィア。
勢いと愛嬌と押しの強さで距離を詰め、二人は結婚へ進む。
ただ、グッチ家の父ロドルフォは露骨に反対し、一族の“格”が最初から壁として立ちはだかる。
パトリツィアの手腕で、家族の勢力図が動き出す
パトリツィアは、ただの“奥さん”に収まらず、親族や経営の中心に入り込もうとする。
伯父アルドの誕生会へ乗り込み、顔を売り、味方を増やしていく。
一方で一族内の争いは激しく、パオロの動きや騒動も重なって、経営権のバランスが崩れていく。
気づくと、マウリツィオは「継ぐつもりなかった側」から「継ぐ側」へ押し上げられていく。
手に入れたはずの勝利が、夫婦を真っ二つにする
経営が近づくほど、マウリツィオは変わっていく。
資金を使い、買い物をし、周囲の助言や新しいパートナーに寄りかかり始める。
一方でパトリツィアは、家の中でも心の中でも締め出されていき、離婚へ向かう。
ここからは“家の物語”というより、“切れた関係がどう暴発するか”のフェーズに入る。
取り返しのつかない決断が、事件として形になる
完全に決別したパトリツィアは、怒りと執着に飲まれ、ついに殺害依頼へ踏み切る。
マウリツィオは仕事の場へ向かう朝、銃撃されて命を落とす。
事件は裁かれ、関係者は有罪となる。
そして皮肉なのが、グッチというブランドは巨大になっていくのに、グッチ家はそこから消えていくこと。
この映画のポイント
・恋愛から経営権争いへ、雰囲気が段階的に変わっていく
・家族が味方じゃなく、最初から政治そのもの
・華やかな服と場所の裏で、人間関係がどんどん冷える
・結末が「事件」だけじゃなく「家の終わり」になっている
たぶんこんな映画
ずっとゴージャスなのに、気分はだんだんザラついていく。
笑える場面もあるけど、笑い終わった瞬間に空気が冷たくなる感じ。
観終わると、愛って言葉と所有って言葉の距離の近さが怖くなる。
派手な伝記クライムだけど、芯は人間の欲の話。

コメント