※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。
デュエリスト/決闘者
(The Duellists)
作品データ
1977年|イギリス|歴史ドラマ
監督:リドリー・スコット
出演:キース・キャラダイン, ハーヴェイ・カイテル, アルバート・フィニー, エドワード・フォックス, クリスティーナ・レインズ ほか
名誉に取り憑かれた男と、逃げられない男が20年決闘し続ける話
ナポレオン戦争の時代、たった一度の行き違いから始まった決闘が、20年近く終わらない。
決闘に執着するフェローと、理不尽だと思いながらも名誉の名の下で逃げられないデュベール。
戦争、昇進、恋、政治体制の変化を挟みながら、二人は何度も刃を交える。
最後に残るのは勝敗というより、「相手をどう終わらせるか」という選択だった。
物語の主要人物
- アルマン・デュベール(キース・キャラダイン)
フランス軍将校。命令をきっかけにフェローから決闘を申し込まれる - ガブリエル・フェロー(ハーヴェイ・カイテル)
強烈なボナパルティスト。決闘を個人的名誉の問題として生きる将校 - ローラ(ダイアナ・クイック)
デュベールの恋人。決闘から離れるよう諭す存在 - アデル(クリスティーナ・レインズ)
後にデュベールの妻となる女性 - ジョセフ・フーシェ(アルバート・フィニー)
警察大臣。物語終盤で重要な役割を果たす
侮辱と誤解からすべてが始まる、1800年ストラスブール
1800年、ストラスブール。
決闘騒ぎを起こしたフェローを自宅軟禁せよ、という命令を伝えに来ただけのデュベール。
だがフェローはそれを個人的な侮辱と受け取り、いきなり決闘を申し込む。
避けようとしても避けきれず、最初の決闘は決着がつかないまま終わる。
その結果、デュベールは顔に傷を負い、幕僚の職も失い、前線へ戻される。
ここで「ただの一回」で終わるはずだった話が、引き返せないものになる。
戦争と昇進の合間に、何度も呼び戻される決闘
1801年、1806年、1812年。
戦争によって引き離されても、昇進によって救われたと思っても、フェローは必ず現れる。
剣で、馬上で、雪のロシアで。
デュベールはそのたびに重傷を負い、恋人に止められ、逃げようとし、それでも呼び戻される。
一方フェローは、勝ち負け以上に「決闘そのもの」を手放せない。
ロシア撤退戦では、二人は一時的に協力し、敵を撃退する。
それでもフェローの中で、この関係は終わらない。
すべてが終わった後にやってくる、最後の決闘
1816年。
ナポレオンは敗れ、時代は変わり、デュベールは結婚し、家庭を持つ。
フェローは処刑寸前から救われるが、その事実を知らない。
そして最後の決闘。
廃墟近くの野原で、二人は拳銃を持ち、自由に動き回る。
フェローが二発を撃ち尽くし、デュベールは最後の一発を手にする。
引き金を引く代わりに、デュベールはフェローの「生」を奪う宣告をする。
命は助けるが、関係は終わらせる。
それが彼の選んだ結末だった。
この映画のポイント
・決闘そのものより「なぜ終わらないか」を描く構造
・戦争と政治の変化が、個人の執着を際立たせる
・剣、馬上、銃と、時代に沿って変わる決闘の形
・映像が淡々としている分、感情の歪みが浮き彫りになる
たぶんこんな映画
歴史映画っぽい顔をしてるけど、やってることはずっと同じ二人のすれ違い。
派手な盛り上がりというより、じわじわ逃げ場がなくなる感じ。
決闘が続く理由を「名誉」で片づけず、人の癖みたいなものとして見せてくる。
観終わると、勝ったのは誰かより、「終われたのは誰か」が気になってくる映画。

コメント