※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。
ダーク・スティール
(Dark Blue)
作品データ
2002年|アメリカ合衆国|クライム・スリラー
監督:ロン・シェルトン
出演:カート・ラッセル, スコット・スピードマン, ブレンダン・グリーソン, ヴィング・レイムス ほか
汚職に慣れきった警官が、街と一緒に限界を迎える話
1992年のロサンゼルス。ロドニー・キング裁判の判決を目前に控えた街で、汚職にどっぷり浸かった警官エルドン・ペリーが、強盗事件の処理と内部の圧力に追い詰められていく。証拠の捏造、スケープゴート、裏切りが積み重なり、暴動が始まる夜、彼は自分の立場と罪を正面から引き受ける決断を迫られる。
ざっくり時系列
強盗事件が発生し多数の死者が出る
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ペリーが相棒キーオを内部聴聞会で庇う
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上司ヴァン・メーターが証拠捏造を指示
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偽の容疑者を仕立て上げる作戦が進む
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路地裏での射殺事件が起きる
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キーオが良心の呵責に耐えきれなくなる
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ロサンゼルス暴動が勃発
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裏切りと銃撃でキーオが死亡
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ペリーが真犯人を追う
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昇進式で汚職を告白する
物語の主要人物
・エルドン・ペリー軍曹(カート・ラッセル)
汚職に手を染めてきた刑事。昇進を控え、選択を迫られる。
・ボビー・キーオ刑事(スコット・スピードマン)
ペリーの相棒。事件をきっかけに迷い始める。
・ジャック・ヴァン・メーター司令官(ブレンダン・グリーソン)
汚職を仕切る上司で、捏造を指示する存在。
・アーサー・ホランド副署長(ヴィング・レイムス)
内部の不正に疑問を抱く警察幹部。
判決前夜、張りつめたロサンゼルス
物語は、暴動寸前のロサンゼルスから始まる。強盗事件で街の空気がさらに悪化する中、ペリーは相棒キーオを守るため、都合のいい証言を重ねていく。上司ヴァン・メーターはそれを当然のように扱い、事件を丸く収めるためなら何でもやる姿勢を隠さない。
捏造が日常になった捜査現場
捜索令状は強引に取り、容疑者は最初から決まっている。そんなやり方に、キーオは少しずつ耐えられなくなっていく。路地裏で起きた射殺事件は決定打となり、警官として越えてはいけない線を越えた実感が、彼を追い詰める。
暴動の夜に下される選択
ロドニー・キング裁判の判決が出て、街は暴動に包まれる。混乱の中、裏切りと銃撃が連鎖し、キーオは命を落とす。すべてを失ったペリーは、逃げ切る道ではなく、昇進式の場で汚職を告白する道を選ぶ。街の崩壊と同時に、彼自身の決着がつく。
この映画のポイント
・実在の社会的緊張を背景にした物語
・汚職が日常化した警察組織の空気
・暴動と個人の選択が重なる構成
・静かな追い込み方で進む終盤
たぶんこんな映画
派手なアクションよりも、重たい空気がずっと続くタイプ。街全体がざわついていく感じと、個人の後戻りできなさが同時に迫ってくる。観終わると、あの夜のロサンゼルスに置き去りにされた気分が残る一本。

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