※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。
アダプテーション
(Adaptation.)
作品データ
2002年|アメリカ|ドラマ/コメディ
監督:スパイク・ジョーンズ
出演:ニコラス・ケイジ、メリル・ストリープ、クリス・クーパー ほか
脚本が書けない脚本家が自分の人生を書き始める話
映画の脚本を書いているはずなのに、気づくと自分自身のことばかり考えている男がいる。原作をどう映画にするか悩んでいたはずが、その悩み自体がどんどん物語の中心に入り込んでくる。
ざっくり全体要約
脚本家の主人公は、あるノンフィクション作品の映画化を任されるが、原作をどう脚色すればいいのか全く答えが出ない。葛藤するうちに、自分自身や双子の兄弟、原作者の人生まで物語に組み込み始める。やがて物語は、脚本を書く現実と、書かれていく映画の中身が混ざり合い、最終的には当初想像していなかった方向へ突き進んでいく。
自信ゼロの脚本家と行動力だけはある兄
主人公は神経質で内省的、完璧を求めすぎて動けなくなるタイプ。一方、双子の兄は楽天的で、とにかく形にすることを優先する。二人の対比が、創作に対する姿勢の違いとして何度も浮かび上がる。
ハリウッドと湿地帯を行き来する構造
舞台はロサンゼルスの脚本家生活と、原作に関わる人々が生きる湿地帯の世界を行き来する。都会的な悩みと、自然の中で起きる人間関係が交互に描かれ、どちらも物語の材料として絡み合っていく。
書けない苦しさが物語を侵食する
締切が迫る中で、主人公は「映画らしさ」を入れるべきかどうかで迷い続ける。アクションや恋愛、展開の盛り上がりを避けようとしていたはずが、いつの間にかそれらが物語に入り込み、最初の理想は崩れていく。
書いた結果、映画が暴走する
後半になるにつれて、物語は急に映画的な展開を見せ始める。主人公が避けたかった要素が次々に登場し、現実とフィクションの境界はほぼ消える。脚本が完成する頃には、最初の目的とは別の答えに辿り着いている。
この映画のポイントなに?
映画を作る話でありながら、創作そのものの矛盾や弱さをそのまま見せてくる構造が特徴。うまくやろうとするほど空回りする感じが、そのまま物語になっている。
たぶんこんな映画
映画の裏側を覗いているつもりが、いつの間にか頭の中を覗かれている感覚。笑えるところも多いのに、妙に身につまされる余韻が残る一本。

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