※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。

ダークサイド
(Looking Glass)
作品データ
2018年|アメリカ合衆国|スリラー
監督:ティム・ハンター
出演:ニコラス・ケイジ、ロビン・タニー、マーク・ブルカス ほか
失ったものの代わりに、知らなくていい闇を覗いてしまう話
静かな再出発のつもりが、気づけばよく分からない秘密に絡め取られていく。
立ち直ろうとしている時ほど、変な隙が生まれる、そんな感じの始まり。
ニコラス・ケイジが、感情を抑えたまま違和感の中へ沈んでいく。
小さな町に移り住んでから、歯車がズレていく
物語は、夫婦が悲しい出来事をきっかけに、町を離れるところから動き出す。
新しい生活のために、郊外のモーテルを購入し、そこで暮らし始める。
一見静かで問題のなさそうな場所だけど、夜になると妙な気配が漂う。
夫は、モーテルの一室に隠された通路や覗き穴の存在に気づき、過去の出来事を垣間見るようになる。
その好奇心が、封じられていた秘密と危険を引き寄せてしまう。
過去を引きずったままの夫
ニコラス・ケイジが演じる夫は、感情を表に出さないタイプ。
大きな喪失を経験していて、その痛みを処理しきれないまま日常を続けている。
モーテルで見てしまったものが、好奇心なのか逃避なのか、自分でも区別がつかなくなる。
静かな態度のまま、内側だけがどんどん乱れていく。
なんとか前を向こうとする妻
ロビン・タニーの妻は、新しい土地でやり直そうとしている。
過去に縛られすぎないように、自分を保とうとする現実派。
だからこそ、夫の変化に戸惑いを覚える。
同じ悲しみを抱えているのに、進む方向が少しずつズレていく。
モーテルに残る、見えない過去の気配
話が進むにつれて、モーテルには以前の管理人や客にまつわる出来事があったことが見えてくる。
誰かの視線、誰かの欲望、誰かの後悔が、場所に染みついている感じ。
夫が覗いているのは、単なる出来事じゃなく、人の歪んだ感情そのものに近い。
覗くほどに、戻れなくなっていく。
知らなくていい真実に近づいていく流れ
断片的な映像や情報が、少しずつ一本につながっていく。
それが明らかになるほど、今の生活にも危険が迫ってくる。
止めようと思っても、もう後戻りできない状態。
好奇心と執着が、境目を失っていく。
最後は、覗いた代償がはっきり形になる
終盤では、モーテルの秘密と現在の出来事が交差する。
誰が被害者で、誰が加害者なのかが、単純じゃない形で見えてくる。
夫婦それぞれが、何を選ぶのかを迫られる場面。
安心より、重たい現実が残る終わり方。
この映画のポイントは、見る側に立たされる怖さ
覗く行為そのものが、テーマとして強く効いている。
見なければ平穏だったかもしれない、という感覚がずっとつきまとう。
派手な驚かしより、じわじわ来る不安が中心。
たぶん、観終わったあと「知ること」を考える映画
知らないままでよかったことは、意外と多い。
好奇心が救いにも破滅にもなる、その境目が曖昧に描かれる。
静かだけど、後からじわっと残る一本かも。

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