※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。

ペイ・ザ・ゴースト ハロウィンの生贄
(Pay the Ghost)
作品データ
2015年|アメリカ合衆国|ホラー
監督:ウーヴェ・ボル
出演:ニコラス・ケイジ、サラ・ウェイン・キャリーズ、ヴェロニカ・フェレ ほか
ハロウィンで子どもが消えて、親が地獄を掘り返す話
にぎやかなはずのハロウィンが、一瞬で悪夢みたいな空気に変わる。
仮装とお祭りの裏側で、取り返しのつかない出来事が起きて、親だけが置き去りになる。
ニコラス・ケイジが、焦りと後悔を抱えたまま、訳の分からない世界に踏み込んでいく流れ。
お祭りの夜を境に、日常が壊れていく
物語は、家族でハロウィンを楽しんでいる場面から始まる。
人も多くて、音楽もあって、目を離した一瞬の隙に、息子の姿が消える。
警察に頼っても手がかりは少なく、時間だけが過ぎていく。
そんな中で、街に残る奇妙な伝承や、昔の出来事が浮かび上がってきて、話は現実から少しずつズレていく。
息子を失って正気を保てなくなっていく父親
ニコラス・ケイジの役は、学者タイプの父親。
理屈で物事を考える人なのに、息子の件では感情が先に立ってしまう。
夢と現実の境目が曖昧になってきて、自分でも何を信じていいのか分からなくなる。
それでも、「探す」という一点だけはブレずに動き続ける。
現実に踏みとどまろうとする母親
サラ・ウェイン・キャリーズが演じる母親は、父親とは違う形で息子を想っている。
非現実的な話に深入りすることを怖れていて、できるだけ現実にしがみつこうとする。
夫婦の間にも温度差が生まれて、同じ悲しみを抱えながら、進む方向がズレていく。
そのズレが、話をさらに苦しくしていく。
街に残る伝承と、過去の犠牲
調べを進めるうちに、この街では昔から子どもに関わる不気味な話が語られていたことが分かってくる。
ハロウィン、仮面、儀式みたいな要素がつながって、今起きていることと重なっていく。
最初は信じられない話ばかりだけど、偶然にしては合いすぎている点が増えていく。
ここから、完全にホラー寄りの空気になる。
現実と異界を行き来するような展開
父親は、普通の捜索では辿り着けない場所に足を踏み入れていく。
そこは現実の延長みたいで、でもどこかおかしい。
時間の感覚も、人の存在も、不安定なまま進んでいく。
息子を取り戻すために、どこまで踏み込むのかが問われ続ける。
最後は、選択の重さが突きつけられる
終盤では、なぜこんな出来事が起きているのか、その背景がはっきりしてくる。
同時に、取り戻すために払う代償も見えてくる。
力で解決する話というより、覚悟を決める話に近い流れ。
救いと後悔が混ざったまま、物語は一つの形に落ち着く。
この映画のポイントは、親の執着が止まらないところ
怖さの中心にあるのは、幽霊そのものより、親の感情。
理屈じゃ止められない想いが、どんどん事態を深くしていく。
ホラーだけど、感情の重さが前に出てくるタイプ。
たぶん、ハロウィンがちょっと違って見える映画
仮装やお祭りの楽しさの裏に、変な余韻が残る。
明るいイベントなのに、終わったあと静かになる感じ。
怖さと同時に、親子の話が頭に残り続ける一本かも。

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