※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。
ハングリー・ラビット
(Seeking Justice)
作品データ
2011年|アメリカ・ニューオーリンズ|サスペンス/スリラー
監督:ロジャー・ドナルドソン
出演:ニコラス・ケイジ、ガイ・ピアース、ジャニュアリー・ジョーンズ、ジェニファー・カーペンター ほか
正義を肩代わりしますよ、と声をかけられる話
突然の被害で人生がひっくり返った男が、「代わりにやっておいたよ」と言われてしまい、気づいたら後戻りできない場所に立っている感じの話。ありがたいはずの提案が、だんだん重くのしかかってくる。
被害の直後に差し出される“親切”
高校教師のウィルは、妻ローラが暴力事件に巻き込まれたことで、怒りと無力感を抱えることになる。
病院で呆然としていると、見知らぬ男サイモンから「法では裁かれないこともある」と声をかけられ、加害者への報復を持ちかけられる。
深く考える余裕もないまま、その提案を受け入れたウィルだけど、しばらくしてから「今度は君の番だ」と連絡が入る。ここから日常が静かに崩れ始める。
普通の教師と、妙に落ち着いた勧誘役
ウィルはごく普通の生活をしていた人で、強い信念があるというより、状況に流されやすいタイプ。
ローラは回復に向かいながらも、何かを感じ取っているような距離感がある。
サイモンは終始余裕があって、何を考えているのか分かりにくい存在。正義の味方なのかどうかも、はっきりしないまま話が進む。
舞台は日常そのもの、だから余計に不穏
学校、家、街角、病院。
特別な場所じゃないからこそ、「ここでそんな話になる?」という違和感が続く。
日常の延長線に、別のルールが入り込んでくる感覚が強い。
小さな依頼が連鎖していく
最初は簡単そうに見える頼まれごとが、少しずつ重くなっていく。
断ろうとしても、すでに受け取ってしまった“代償”が邪魔をする。
誰が何のために動いているのか分からなくなり、ウィル自身も判断を誤っていく流れ。
追い詰められた末に真相が見えてくる
物語の後半で、この集団の仕組みや狙いが徐々に明らかになる。
ウィルは、自分が正義だと思っていた行動が、別の意味を持っていたことに気づく。
最後は、自分の意思でどうするかを選ぶ場面に行き着く。
この映画のポイントは“正義の値段”
怒りに寄り添う言葉が、どこまで信用できるのか。
気持ちよさそうに見える解決が、後から何を要求してくるのか。
その辺りをじわじわ考えさせてくる作りになっている。
たぶんこんな映画
派手なアクションより、気まずさと選択の積み重ねを追っていく感じ。
「もし自分だったら、あの場で断れたかな」と、あとから考えたくなるタイプの一本。

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