※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。

パシフィック・ウォー
(USS Indianapolis: Men of Courage)
作品データ
2016年|アメリカ合衆国|戦争
監督:マリオ・ヴァン・ピーブルズ
出演:ニコラス・ケイジ、トム・サイズモア、トーマス・ジェーン ほか
任務を終えたはずの艦が、地獄の海に放り出される話
戦争映画だけど、戦ってる時間より「耐える時間」がやたら長い。
ニコラス・ケイジが艦長として出てきて、判断と責任がじわじわ重くのしかかっていく。
勝ったはずの任務のあとに、最悪の状況が待っていた、そんな流れ。
極秘任務の帰路で、想定外が一気に起こる
物語は、第二次世界大戦末期の太平洋。
巡洋艦インディアナポリスは、重要な任務を終えて帰還中だった。
ところが、航行中に敵の攻撃を受け、艦は沈没してしまう。
生き残った乗組員たちは救助も来ないまま、広い海に取り残される。
ここから先は、敵との戦いじゃなく、海と時間との戦いに変わっていく。
責任を背負い続ける艦長という立場
ニコラス・ケイジが演じる艦長は、規律と判断を重んじるタイプ。
部下を守る立場でありながら、すべてをコントロールできるわけじゃない。
沈没後も、彼の判断や過去の決断が、周囲の空気に影響を与え続ける。
指揮官としての重さが、ずっと付きまとっている感じ。
海に放り出された乗組員たちの温度差
生存者の中には、冷静な者もいれば、恐怖に飲み込まれていく者もいる。
トム・サイズモアやトーマス・ジェーンの役どころも、それぞれ違う立場で反応を見せる。
希望を口にする人、諦めに近い態度を取る人。
同じ状況でも、心の向きがバラバラなのがはっきり見える。
太平洋のど真ん中で、何日も続く過酷な状況
水も食料もほとんどなく、日差しと寒さが交互に襲ってくる。
時間が経つほど、体力も判断力も削られていく。
さらに、海の中には別の脅威も潜んでいて、緊張は切れない。
助けを待つしかない状況が、人をどんどん追い込んでいく。
救助が来ないことで崩れていく秩序
最初は軍人としての秩序が保たれている。
でも、日数が重なるにつれて、その秩序も揺らぎ始める。
誰の判断を信じるのか、何を優先するのか。
生き残るための選択が、必ずしも正解に見えなくなっていく。
最後は、生き残った事実だけが残る
やがて救助が訪れて、状況は一応の区切りを迎える。
ただ、全員が助かるわけじゃなく、失われたものの大きさがはっきり残る。
生還は勝利というより、重たい現実として描かれる。
その後の責任や評価も含めて、話は静かに締めくくられる。
この映画のポイントは、戦わない戦争の描写
銃撃戦より、漂流と消耗が中心。
敵よりも自然や状況が相手になる。
英雄的というより、人間が極限でどうなるかを見る構成になっている。
たぶん、観終わったあと海の広さが怖くなる映画
開けた場所なのに、逃げ場がない感じがずっと残る。
戦争映画なのに、派手さより重さが印象に残る。
静かに体力を削られる感覚が、あとから効いてくる一本かも。

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