※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。
ブラック・スキャンダル
(Black Mass)
作品データ
2015年|アメリカ合衆国|犯罪ドラマ
監督:スコット・クーパー
出演:ジョニー・デップ、ジョエル・エドガートン、ベネディクト・カンバーバッチ、ケヴィン・ベーコン ほか
幼なじみの関係が、そのまま街ごと歪めていく話
この映画、ざっくり言うと「犯罪者と捜査側が、昔の縁を理由に危険な取引を始めてしまう」流れ。正義と悪が手を組む、というより、境界線が少しずつ削れていく感じに近い。気づいたときには、どこまでが協力で、どこからが支配なのか分からなくなっていく。
全体をまとめるとこういう話
ボストンを拠点に勢力を広げていた犯罪者ホワイティは、FBI捜査官になった幼なじみと再会する。彼は情報提供者になる代わりに、自分の犯罪行為を黙認させる道を選ぶ。その結果、競争相手は次々と排除され、組織は急速に巨大化していく。一方で、FBI内部や街全体にも歪みが広がり、関係者全員が引き返せない場所へ進んでいく。
主人公は感情を見せない支配者
ホワイティは、声を荒げることも少なく、常に冷静に振る舞う。でもその静けさが、逆に不気味さを増している。忠誠を求め、裏切りには一切の猶予を与えない。その一貫した態度が、周囲の人間を従わせ、恐怖で縛りつけていく。
舞台は閉じた街、ボストン
物語の中心となるボストンは、コミュニティ同士の結びつきが強い場所。顔見知りの関係が多く、昔の縁が今も影響を持ち続けている。その環境が、犯罪と捜査の距離を異様に近づけてしまう。街そのものが、逃げ場のない箱みたいに機能している。
協力関係がいつの間にか逆転する
情報提供という名目で始まった関係は、次第に立場が入れ替わっていく。捜査側は成果を求めて目をつぶり、犯罪者側はそれを当然の権利として利用する。止めるタイミングは何度もあったように見えるけど、そのたびに誰かが見送ってしまう。
崩れるときは一気に来る
終盤では、長く続いていた均衡が一気に崩れ始める。隠されていた事実が表に出て、関係者はそれぞれ責任を突きつけられる。ホワイティ自身も、永遠に続くと思っていた支配が揺らぎ始める中で、孤立を深めていく。
この映画のポイントっぽいところ
この作品、派手な犯罪アクションよりも、「黙認」が積み重なっていく怖さが中心にある。一度線を越えると、その先は意外とあっさり進んでしまう。その過程を淡々と追っていく作りになっている。
たぶんこんな映画
盛り上がる場面は多くないけど、ずっと緊張感が続く。誰かに感情移入するというより、状況がどう壊れていくかを見守る感覚に近い。観終わったあと、後味の重さがじわっと残りやすいタイプの一本かもしれない。

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