※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。
ラム・ダイアリー
(The Rum Diary)
作品データ
2011年|アメリカ|伝記・ドラマ
監督:ブルース・ロビンソン
出演:ジョニー・デップ、アンバー・ハード、アーロン・エッカート ほか
酒と文章に逃げ込む記者の話
都会に疲れた男が、常夏の島で新しい人生を始めようとして、結局また別の混沌に足を突っ込んでいく。タイプライターと酒瓶が常にそばにある始まり方。
ざっくり全体要約
1960年代、アメリカ人ジャーナリストのポール・ケンプは、仕事を求めてプエルトリコへ渡り、英字新聞社に雇われる。編集部はゆるく、同僚たちは酒浸り。ケンプ自身も流されるように島の生活に溶け込んでいく。そんな中、実業家サンダーソンと出会い、彼の計画や恋人シュノーに惹かれていくが、金と欲望が絡む話に巻き込まれていく。
逃げ場を探している男
ケンプは、理想を持っていないわけじゃないけど、それを守る気力も減っている人。皮肉と観察で距離を保ちつつ、完全には無関心になれない。その中途半端さが行動に表れていく。
だらけた楽園の新聞社
新聞社の空気は、仕事というより集会所に近い。記事は後回し、酒が先。プエルトリコの陽気さと腐りかけた理想が混ざり合って、居心地の良さと危うさが同時に漂っている。
金の匂いが話を歪める
サンダーソンの計画は、島の未来を語りつつ、実際には金儲けの匂いが濃い。ケンプは記事を書く立場として関わりながら、その裏側も見えてしまう。理想と現実のズレが、少しずつ広がっていく。
書くか、流されるか
終盤では、ケンプが何を選ぶのかがはっきりしてくる。島に溶け込んだまま生きる道も見える中で、文章を書く意味をもう一度掴もうとする動きが出てくる。
破天荒というより停滞の物語
派手な事件が連続するというより、空気と気分で進む構成。酒、暑さ、倦怠感が画面全体に染み込んでいる感じが強い。
たぶん、書く理由を探してる映画
成功譚というより、迷っている時間をそのまま切り取った印象。何者かになれない不安と、それでも何かを書こうとする衝動が、ゆっくり残っていく一本。

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