※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。
ヴァージン・フライト
(The Theory of Flight)
作品データ
1998年|イギリス|ドラマ
監督:ポール・グリーングラス
出演:ヘレナ・ボナム=カーター、ケネス・ブラナー ほか
人生を諦めかけた二人が、空を目指して動き出す話
保護観察中の男リチャードは、社会奉仕として重い障害を持つ女性ジェーンの世話を任される。最初は距離感も合わず、会話もぎこちない二人だったけど、ジェーンの「一度でいいから飛行機に乗りたい」という願いを知ったことで状況が変わり始める。実現が難しそうな夢に向き合ううちに、二人はルールや常識の外側へ踏み出していき、それぞれが抱えていた後悔や諦めとも向き合うことになる。
無気力な男と、皮肉屋だけどまっすぐな女性
リチャードは過去の出来事を引きずり、感情を抑え込んで生きているタイプ。
ジェーンは病気のせいで体は不自由だけど、言葉は鋭くてユーモアもある。
同情されるのを嫌い、人生を斜めから見ているところが印象的。
正反対に見える二人だけど、どこか似た諦めを抱えている感じがある。
日常の延長にある、小さな逃避行
物語の多くは、ごく普通の街や移動の途中で進んでいく。
派手なロードムービーというより、少しずつ遠くへ行ってしまう感覚。
「ダメだと言われていること」を一つ越えるたびに、空気が少し軽くなっていく。
ルールを破ることで、見えてくる本音
ジェーンの願いを叶えようとする行動は、当然まわりから止められる。
でも、その過程でリチャード自身も、自分が何を恐れていたのかに気づいていく。
善意と無謀の境目が曖昧なまま、二人は前に進み続ける。
飛ぶという行為が持つ意味
飛行機に乗ること自体がゴールであり、象徴にもなっている。
身体的に飛ぶというより、気持ちが一瞬だけ重力から解放される感覚。
結果がどうであれ、その選択が二人の関係と人生を確かに変えていく。
この映画のポイントなに?
感動を押しつける作りではなく、皮肉やブラックな笑いが混ざっている。
障害や更生といったテーマを扱いながら、説教っぽさはかなり控えめ。
「叶うかどうか」より、「やろうとすること」に焦点が当たっている。
たぶんこんな映画
静かに進むけど、途中で何度か胸の奥を突かれる感じ。
観終わったあと、挑戦って大げさじゃなくてもいいんだなと思えてくる。
少しだけ前を向くきっかけになりそうな余韻が残りやすい作品。

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