誘惑のアフロディーテ

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ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。




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誘惑のアフロディーテ
(Mighty Aphrodite)

作品データ
1995年|アメリカ合衆国|コメディ/恋愛
監督:ウディ・アレン
出演:ウディ・アレン、ミラ・ソルヴィーノ、ヘレナ・ボナム=カーター ほか

才能の遺伝が気になりすぎた男が、人生をかき回す話

スポーツライターのレニーは、妻とともに男の子を養子に迎える。成長するにつれて、その子がとんでもなく頭のいい天才児だと分かり、レニーは「実の母親は一体どんな人なんだろう」と気になり始める。好奇心に負けて調べていくと、たどり着いたのはかなり奔放な女性リンダ。彼女の人生に首を突っ込みながら、レニーは善意のつもりで恋愛や仕事を世話し始めるけど、その行動が自分自身の結婚生活や感情にも影響を及ぼしていく。

理屈っぽい善人と、勢いだけで生きてる女性

レニーは理屈と倫理を大事にしていて、自分ではまともな判断をしているつもり。
ただ、その「正しさ」が空回りしがちで、人の人生に踏み込みすぎるところがある。
リンダは思ったことをすぐ口にして行動するタイプで、知識は少なめだけど感情は一直線。
二人が会話すると、噛み合ってないのに妙にテンポがいい空気が生まれる。

ニューヨークとギリシャ悲劇が同時進行

現代のニューヨークで話が進む一方、古代ギリシャ悲劇風の合唱隊がちょいちょい口出ししてくる構成。
人生のドタバタを、まるで神話みたいに語り直している感じがある。
現実とフィクションがゆるく混ざっていて、真面目な話なのか冗談なのか分からなくなる瞬間が続く。

善意がズレていくと、ややこしくなる

レニーはリンダを「ちゃんとした人生」に導こうとするけど、その基準は完全に彼目線。
仕事を紹介したり、恋人をあてがったりするうちに、事態はどんどん複雑になる。
その一方で、自分の結婚生活にも違和感が広がっていき、気づかないふりをしていた本音が浮かび上がってくる。

取り繕えなくなった時に、選択が迫られる

嘘や建前が重なった結果、誰かが傷つく状況が避けられなくなる。
レニーは、自分が何をコントロールしようとしていたのか、何から目を逸らしていたのかを突きつけられる。
最後には、思い通りにならない現実をそのまま受け止める方向へ話が転がっていく。

この映画のポイントなに?

下ネタや軽口が多めだけど、テーマはわりと真面目。
人の人生を「良かれと思って」動かそうとする危うさが、コメディとして描かれている。
ギリシャ悲劇の形式を持ち込むことで、日常の悩みが妙に大げさに見えてくるのも特徴。

たぶんこんな映画

テンポよく笑わせながら、あとで少し引っかかるタイプ。
正しさとか理性って、どこまで人を幸せにできるんだろうって考えが残りやすい。
軽そうに見えて、意外と人間の面倒くささが詰まっている一本、そんな印象になりやすい作品。

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